放射能泉は危険?効果やオススメの温泉を解説

放射能泉は危険?効果やオススメの温泉を解説

温泉好きな方の中では「放射能泉」について、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

近年、疲れを癒したり、リラックスしたりするための方法として、温泉が注目されていてちょっとしたブームも沸き起こっています。なかでも「放射能泉」は、健康に関するメリットについて注目されていますが、一方で安全性についても疑問視されている状況です。 そこで、今回は放射能泉についての基本的な知識と、危険性や効果、全国でオススメの温泉をご紹介します。

放射能泉とは?

放射能泉とは?

そもそも放射能泉とはどのような温泉なのでしょうか。まずは概要や特徴について解説します。

放射能泉の種類

温泉には様々な種類があり、そのうちの一つとして放射能泉があります。さらに放射能泉は大きく2つに分けることができ「単純弱放射能温泉」「単純放射能温泉」があります。

前者はラドン(放射能泉)含有量8.25以上で、50マッヘ単位/kg未満を含んでいるのが特徴です。後者の種類は、ラドン含有量50マッヘ単位/kg以上の温泉を指します。

ラドンが含まれている温泉は細胞を活性化させる効果が期待されていて、健康や体の機能において良い働きをすると言われています。

放射能泉が見つかる場所

放射能泉は日本国内の様々な場所で見つかっており、とくに温泉で有名な地域を中心に見られます。例えば、福島県の母畑温泉や愛知県の小渡温泉、兵庫県の岩屋温泉などが有名です。他にも、日本を代表する温泉街でも放射能泉を楽しめるケースが多く、意外にも身近なものなのです。

放射能泉の成分とは?

放射能泉の成分には、文字通り「放射能」が含まれています。ラジウムやラドンなどの放射能が代表的です。

一般的に「放射能泉」と聞くと、体に危険なイメージや怖いイメージがあるかもしれません。しかし、含まれている放射能泉の量はごくわずかな傾向にあります。そのため、体への悪影響はほとんどないことが分かっているのです。

むしろ、この微量の放射能が体の細胞を良い意味で刺激し、様々な健康効果を促してくれます。

放射能泉に期待される効果

放射能泉に期待される効果

放射能泉に浸かることで、具体的にどのような効果が得られるのでしょうか。家庭のお風呂や一般的な温泉にはない、放射能泉ならではの効果は気になるところです。

ここからは、放射能泉に期待される効果について詳しく解説していきます。

血行促進と免疫力向上

放射能泉に期待される効果として、まず挙げられるのが血行促進と免疫力の向上です。放射能泉は、もともと万病の湯と呼ばれる温泉であり、様々な健康効果を期待できます。

とくに、血液の流れを良くする効果や、細胞への刺激によって得られる免疫力の向上は、主な効果の一つです。

慢性的な痛みの緩和

放射能泉は「α線」と呼ばれるα粒子が含まれており、体が抱えている慢性的な痛みを緩和する効果が期待されています。α線には関節痛などの慢性的な痛みを和らげる効果があり、肘やひざなどの関節が痛みやすい方には特にオススメの温泉といえるでしょう。

α線が慢性的な痛みを軽減する理由は、α線特有の働きが背景にあります。慢性的な痛みと関わりのある「神経細胞」酸素消費量を下げることができるため、痛みの元を鎮静化できるのです。

関節痛のほか、痛風やリウマチなどにも効果があると期待されています。放射能泉による適度な刺激によって体の慢性的な痛みや違和感など、不調を和らげることが期待できます。

疲労回復とリラクゼーション

また疲労回復やリラクゼーションの効果も期待されています。まず、放射能泉にはイオン化作用があるため、新陳代謝を活発化します。これに伴い、疲れを癒したり、回復へとつなげることができます。また、自律神経を整える効果もあるため、ストレス解消やリラックス効果なども期待できます。

もともと、入浴するといった行為自体が疲労回復やリラクゼーションにつながります。体を温め、血液の循環を良くしたり疲労物質を取り除いたりすることができれば、蓄積した疲労も解消しやすくなるものです。

また、入浴で体を温めるだけでも神経を落ち着けることにつながり、緊張感や不安感などを緩和しやすくなります。入浴そのもののメリットと、放射能泉としてのメリットの相乗効果によって、より効果の高い疲労回復とリラクゼーションを実現できるのです。

放射能泉は危険なのか?

放射能泉は危険なのか?

放射能泉に関する情報の中には「放射能泉は危険」としている内容も少なくありませんが、実際のところはどうなのでしょうか。

ここからは、放射能泉における危険性について解説します。

放射線量の安全基準

放射能泉における放射線量は、安全基準を満たしているため体への害はほとんどないとされています。そもそも放射線は日常生活を送るうえで私たちが常に浴び続けているものです。太陽や地面など様々な場所から微量の放射線物質が放出されています。

放射能泉における放射線物質も、日常生活で送るにあたって私たちが浴びている量に過ぎないため、どれだけ入っても過度な被ばくの心配はないと考えられます。

健康への影響

放射能泉において、健康に悪影響を及ぼすことはありません。含まれている放射線物質はごくわずかな量であり、健康に悪影響を及ぼすほどの被ばく量ではないためです。

また、放射能泉であるラドンは気体であるため、体の中に入っても蓄積してしまう心配がありません。きちんと体から排出されるため安心です。

「放射能」と聞くと、危険な印象がありますし、メディアでも人体に悪影響がある物質として取り上げられています。もちろん、過度に浴びれば放射能は人体に有害です。大量に被ばくをすると、血液障害や消化管障害などに陥り、最悪の場合は死につながるとされています。

しかし、放射能泉は致死量の放射能が含まれているわけではありません。仮に毎日放射能泉に入浴しても健康への悪影響はなく、むしろ健康増進につながることが期待されます。

放射能泉に対する専門家の意見

放射能泉に対する専門家の意見としては、前向きな意見が多い傾向にあります。本記事で触れた通り、様々な健康効果が期待される温泉であるため、慢性的な痛みを抱えている方や自律神経の乱れに悩まされている方などにはとくに推奨されています。

最近では、放射能泉に含まれる「ラドン」を製品化する動きも活発化している状況です。吸入器やサプリメントなど、放射能泉に浸からなくても健康効果を得られるような商品が増えつつあります。

放射能泉に入浴する際の注意点

放射能泉に入浴する際の注意点

放射能泉は健康効果が期待できる温泉ですが、一方で注意点もあります。具体的にどのような点に気を付けるべきなのか、以下から見ていきましょう。

入浴時間と回数の制限

入浴の際には、入浴時間と入浴回数に注意してください。健康に良いからと、何時間も入浴し続けたり、1日で何度も放射能泉に浸かったりするのはNGです。一般的なお風呂の過度な長風呂が健康に悪影響を与えるのと同様に、過度に入浴し続けると心臓に負担をかけたり、脱水症状になったりしてしまうため注意してください。

放射能泉に浸かるのであれば10分〜数十分程度を目安にし、入浴回数は多くても1日2〜3回までにおさえておきましょう。

体調不良時の対応

発熱があるときや、深刻な貧血を抱えている場合は入浴を控えましょう。体への負担が大きくなり、状況が悪化してしまう心配があります。

また、放射能泉は湯あたりを起こしやすい温泉です。個人差はあるものの、その日の体調や体質によっては放射能泉に浸かることで気分が悪くなってしまう場合があります。初めて入浴する方は、まずは放射能の含有量が低めの温泉から浸かり、様子を見てみることが大切です。

アルコール摂取後の入浴

アルコールを摂取した後の放射能泉への入浴は避けましょう。放射能泉に限らず、アルコールを飲んだ状態での入浴は基本的に好ましくありません。血液の流れが良くなることでアルコールが体を巡りやすくなるためです。

気分が悪くなってしまったり、ふらついて転倒してしまったりするなど、危険な状況でもあるため、アルコールが抜けるまでは入浴を控えましょう。

オススメの放射能泉5選

オススメの放射能泉5選

日本各地には様々な放射能泉があります。中には人気の観光地で放射能泉を楽しめるスポットもあります。放射能泉に入浴する機会があれば、人気の高い場所や魅力的な温泉地を訪れてみましょう。

玉川温泉(秋田県)

玉川温泉は、秋田県仙北市の山間に位置し、非常に強い酸性の温泉水が特徴です。 世界でも珍しい塩酸が主成分で、pH値は1.2と非常に高い酸性度を示しています。 毎分9,000リットルもの強酸性の泉が湧き出ており、その湧出量は日本一です。

他の温泉と比べても、このような強酸性の温泉は非常に珍しく、湯治に利用されることが多いです。

五頭温泉郷(新潟県)

新潟平野を見下ろす五頭山の麓に広がる五頭温泉郷は、3つの異なる温泉があり、18軒の宿が集う静かな温泉街です。 2ヶ所の露天風呂と3ヶ所の公共浴場を湯めぐりすることができ、新潟の山海の幸を使った料理も楽しめます。

湯の花温泉(奈良県)

湯の花温泉は奈良県にある温泉地の一つです。山あいに位置する温泉地であり、比較的静かなエリアである点が特徴です。

もともと、様々な泉質の温泉が楽しめるスポットであり、期待できる効能も様々である点が特徴です。湯の花温泉では「京ごはんと露天風呂の宿 ゆのはな月や」「おもてなしの宿 渓山閣」などの旅館で放射能泉が楽しめます。

増富ラジウム温泉 金泉閣(山梨県)

山梨県にある増富ラジウム温泉の中でも、金泉閣の湯は特に炭酸が強く、湧きたての源泉は透明ですが、時間が経つと濃厚な黄土色に変化します。

豊富なラジウム含有量を誇り、神経痛やリウマチなどに特効があるとされています。

関金温泉 関の湯(鳥取県)

関金温泉は、無色透明で無味無臭の「しろがねの湯」とも呼ばれる美しい温泉です。 世界有数のラドン温泉であり、自然治癒力を高め、美肌効果が期待できます。

放射能泉が近くにない場合はどうする?

放射能泉が近くにない場合はどうする?

魅力的な効果が期待できる放射能泉ですが、必ずしも近隣にあるとは限りません。基本的に、放射能泉は温泉地が中心となって提供しているため、その他のエリアでは放射能泉を提供している施設が見つからない場合がほとんどです。 仮に放射能泉が近くになく、入浴する機会が得られない場合はどうしたらいいのでしょうか。

ここからは、放射能泉が近くにないときの対策について詳しく解説します。

ホルミシスルームを探す

放射能泉が近くにないときには、「ホルミシスルーム」を探してみましょう。ホルミシスルームとは、放射能泉に含まれる「ラドン」を効率よく体へと取り込むための空間を提供している施設です。

ラドンには神経や細胞へ良いアプローチしてくれるメリットがあり、放射能泉が注目されている理由としても挙げられます。放射能泉に入浴しなくても、微量のラドンを体に取り込むことができるため、放射能泉に浸かったときと同様の効果を得られると期待されています。

実際、ホルミシスルームは近年増加傾向にあり、街中や地方など様々なエリアで展開されている状況です。仮に放射能泉を楽しめる施設が近隣になくても、ホルミシスルームがあるケースも少なくありません。

放射能泉が近隣にない場合には、ホルミシスルームの施設がないかをチェックしてみてはいかがでしょうか。

ラドン吸入器を使う

近隣に放射能泉がない場合や、ホルミシスルームも見当たらないときには「ラドン吸入器」を検討してみましょう。

ラドン吸入器とは、文字通りラドンを吸入するための製品のことです。放射能泉に入浴しなくても、ラドン吸入器を使うことで体に微量の放射能を取り込むことができます。

外出しなくても、自宅でラドンを体内に取り入れることができるため、手間も時間もかかりません。また、購入だけではなく、「レンタル」としてラドン吸入器を提供しているショップもあります。

月額費用はショップによって異なるものの1万円〜5万円でレンタルしていることが多いため、放射能泉が周辺にないときの対策として期待できるでしょう。

まとめ

あまり知られていなかった「放射能泉」に少しずつ注目が集まっています

温泉ブームである今、これまであまり知られていなかった「放射能泉」に少しずつ注目が集まっています。健康効果やリラクゼーション効果はとくに関心が寄せられていて、中高年世代はもちろんのこと、若い世代からも目が向けられている状況です。

とはいえ、一方で「放射能泉の危険性」に関する不安な声も聞こえます。放射能には危険なイメージがあるため、放射能泉に浸かっても問題はないのかを危惧する方は多いです。

しかし、今回の記事で触れた通り、放射能泉に含まれる放射能はごくわずかであり、体に悪影響を及ぼすことはありません。むしろ、微量の放射能泉が細胞や神経に作用し健康増進や痛みの緩和などへと促してくれます。

ぜひ、心身の不調で悩んでいる方は、放射能泉への入浴を検討してみてはいかがでしょうか。