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COLUMN コラム

水素吸入の効果にエビデンスはある?研究事例を詳しく解説

2025-11-13

水素吸入の効果にエビデンスはある?研究事例を詳しく解説

近年、健康や美容の分野で注目を集めている「水素吸入」。テレビやSNSで話題になることも多く、「試してみたい」と思う方も少なくありません。

しかし、その効果については「科学的根拠(エビデンス)がある」という意見と、「効果は怪しいのでは?」という意見が混在しており、どの情報を信頼すべきか迷ってしまう方も多いでしょう。

この記事では、水素吸入の効果に関するエビデンスについて、中立的な立場からわかりやすく解説します。なぜ体に良いと考えられているのか、その仕組みに関する研究や、厚生労働省による先進医療としてのエビデンス構築、さまざまな疾患に関する最新の研究事例をご紹介します。

さらには、安全性や利用時の注意点にも触れていきます。この記事を読めば、水素吸入に関するエビデンスに基づいた知識を身につけ、ご自身でその価値を判断するための材料を得ることができるでしょう。

水素吸入のエビデンスは本物?

水素吸入のエビデンスは本物?

水素吸入が注目される一方で、その効果を疑問視する声も少なくありません。なぜ「エセ科学」というイメージがつきまとうのか、また、実際にどのような意見があり、どのようなエビデンスが求められているのかを見ていきましょう。

エセ科学といわれる理由とは

水素吸入や関連商品に「エセ科学」というイメージがつきまとう背景には、過去の「水素水」ブームが大きく関係しています。当時は、明確な科学的エビデンスが不十分なまま「あらゆる病気が治る」といった過剰な宣伝文句で販売される商品が市場に溢れました。

その結果、消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を受ける企業が続出したのです。このような経緯から、「水素=怪しい」という印象が一般に広まってしまいました。

しかし、注意すべきは、これらの問題はあくまで一部の事業者の不適切な販売方法に起因するものであり、水素そのものの科学的研究がすべて否定されたわけではないという点です。エビデンスに基づいた水素の医学的研究は、このような市場の混乱とは一線を画し、世界中の研究者によって真摯に進められています。

水素吸入に関するさまざまな意見

インターネットやSNS上では、水素吸入に関する様々な意見が見られます。

肯定的な意見としては、「疲れが取れやすくなった」「よく眠れるようになった」「肌の調子が良くなった」といった個人の体験談が多く見受けられます。これらは、日々の生活の質(QOL)の向上を実感した声といえるでしょう。

一方で、否定的な意見も存在します。「何度か試したが、特に変化を感じられなかった」「価格が高いだけで効果は不明」といった声です。また、医療関係者や科学者の中にも、まだヒトでの有効性を証明する大規模な臨床試験のエビデンスが不足しているとして、慎重な立場を取る専門家もいます。質の高いエビデンスが求められているのです。このように、個人の体感レベルでは肯定的な意見があるものの、誰もが納得できるような科学的なエビデンスとしてはまだ発展途上であるというのが現状です。

水素吸入のエビデンスを支える仕組み

水素吸入のエビデンスを支える仕組み

では、なぜ水素が体に良い影響を与える可能性があるのでしょうか。そのエビデンスを支える中心的な理論は、私たちの体内で発生する「活性酸素」との関係にあります。この基礎的なエビデンスが、多くの研究の出発点となっています。

なぜ水素が体に良いとされるのか

私たちの体は、呼吸によって酸素を取り込み、エネルギーをつくり出しています。しかし、その過程で一部の酸素が変化し、非常に反応性が高い「活性酸素」になります。

活性酸素には、体内に侵入したウイルスなどを攻撃する「善玉」の役割もありますが、一方で、過剰に発生すると正常な細胞まで傷つけてしまう「悪玉」の側面も持っています。

近年の研究で、水素分子(H₂)は、この有害な「悪玉活性酸素」にだけ選択的に反応し、無害な水に変えて体外へ排出する性質があるというエビデンスが示されました。この「選択的な抗酸化作用」こそが、水素が体に良いとされる最も大きなエビデンスです。ビタミンCなどの他の抗酸化物質とは異なり、体に必要な善玉活性酸素には反応しない点が、水素のユニークな特徴とされています。

悪玉活性酸素へのアプローチ

悪玉活性酸素の中でも、特に強力な酸化力を持ち、細胞に深刻なダメージを与えるのが「ヒドロキシルラジカル」です。これは、細胞のDNAやタンパク質、脂質などを無差別に攻撃し、老化やがん、生活習慣病など、さまざまな病気の引き金になると考えられています。

水素分子は、この最も有害なヒドロキシルラジカルと優先的に結びつきます。体内に取り込まれた水素(H₂)は、悪玉のヒドロキシルラジカル(・OH)と反応し、以下のように無害な水(H₂O)に変化します。

2・OH + H₂ ⟶ 2H₂O

この反応により、細胞が酸化ダメージを受けるのを防ぐことができるのです。この悪玉活性酸素への特異的なアプローチが、水素吸入に関する数多くのエビデンスの根幹をなしており、このメカニズムが、水素吸入の様々な効果に関するエビデンスを支えています。

水素吸入のエビデンスと国の先進医療

水素吸入のエビデンスと国の先進医療

水素吸入の信頼性を示す一つの重要なエビデンスとして、厚生労働省が定める「先進医療」の対象として研究がおこなわれていた時期がある、という点が挙げられます。これは、水素吸入が単なる民間療法ではなく、公的な医療制度の枠組みでその有効性と安全性に関するエビデンスを構築する試みがあったことの証です。

厚生労働省の先進医療Bについて

「先進医療」とは、将来的に公的医療保険の適用対象とするかを評価するために、有効性と安全性を確保するための臨床研究をおこなう医療技術のことです。中でも「先進医療B」は、未承認の医薬品や医療機器の使用を伴うなど、特に厳格な評価が求められる新しい医療技術が分類されます。

「水素ガス吸入療法」は、この先進医療Bとして2016年に承認され、特定の疾患を対象とした臨床研究が大学病院などの医療機関で実施されました。国がその研究の意義を認め、保険診療との併用を許可したという事実は、水素吸入の医学的な可能性を示す重要なエビデンスといえます。これは将来の保険適用に向けたエビデンスを構築するための重要なステップでした。

水素ガス吸入療法の現在の位置づけ

先進医療Bとして承認された「水素ガス吸入療法」の対象疾患は、「心停止後症候群(院外心停止患者に限る)」でした。これは、心停止から蘇生した後に、脳などに深刻な後遺症が残るのを防ぐ目的でおこなわれたものです。

この臨床研究は計画されていた期間を終え、現在は先進医療としての承認は終了しています。そのため、2024年現在、「水素ガス吸入療法」は先進医療のリストには掲載されていません。

これは、研究が打ち切られたり、効果が否定されたりしたわけではなく、あくまで先進医療という枠組みでの評価フェーズが完了したことを意味します。この研究で得られたデータは、今後の水素医療の発展に向けた貴重なエビデンスとして活用されています。この先進医療で得られたエビデンスは、次の研究へと繋がる礎となりました。

様々な疾患への水素吸入のエビデンス

様々な疾患への水素吸入のエビデンス

先進医療の研究対象となった心停止後症候群以外にも、さまざまな疾患に対する水素吸入の有効性を検証する研究が進められ、新たなエビデンスが報告されています。ここでは、代表的な研究のエビデンスを紹介します。

心停止後症候群への臨床研究

心停止から自己心拍が再開した後、血流が再び流れ始めると、大量の悪玉活性酸素が発生し、脳細胞などに大きなダメージを与える「再灌流障害」が起こります。これが、社会復帰を妨げる深刻な後遺症の主な原因です。

先進医療Bでおこなわれた研究では、心停止から蘇生した患者さんに対して、標準的な治療に加えて2%の水素ガスを18時間吸入させ、その後の神経学的予後(脳機能の回復度合い)を評価しました。

結果として、生存率や社会復帰率において、水素を吸入しなかったグループと比較して改善傾向が見られるなど、有望なエビデンスが得られました。このエビデンスは、救急医療分野における水素の新たな可能性を示すものとして注目されています。この有望なエビデンスに基づき、さらなる研究が期待されています。

がん治療に関する研究論文

がん治療の分野でも、水素吸入の応用が研究されています。ただし、これは水素が「がんを直接治す」という意味のエビデンスではありません。主な目的は、放射線治療や抗がん剤治療によって生じる「副作用の軽減」です。

研究論文では、水素吸入が正常な細胞を活性酸素のダメージから守ることで、これらの副作用を和らげる可能性を示唆するエビデンスが報告されています。ただし、これもまだ予備的なエビデンスの段階です。治療効果を損なうことなく副作用を軽減できるというエビデンスがさらに蓄積されれば、患者は規定通りの治療を継続しやすくなり、結果として治療成績の向上にもつながると期待されています。

その他の研究事例を紹介

水素の応用研究は、上記以外にも多岐にわたる分野で進められています。

脳梗塞

脳梗塞の発症時や治療後の再灌流障害による脳細胞のダメージを軽減する効果が動物実験などで示唆されており、エビデンスの蓄積が進められています。

神経変性疾患

パーキンソン病やアルツハイマー病など、脳神経細胞の酸化ストレスが関与する疾患への応用研究が進み、エビデンスが集められています。

炎症性疾患

関節リウマチなどの自己免疫疾患において、過剰な炎症反応を抑制する効果に関するエビデンスが期待されています。

疲労回復と運動パフォーマンス

運動によって生じる筋肉の酸化ストレスを軽減し、疲労からの回復を早める可能性についてのエビデンスが報告され始めています。

これらの研究の多くはまだ基礎研究や動物実験の段階であり、ヒトでの確固たるエビデンスはまだ十分ではありませんが、水素吸入の幅広い可能性を示すエビデンスとして、今後の臨床応用が期待されています。

水素吸入の安全性に関するエビデンス

水素吸入の安全性に関するエビデンス

水素吸入は、その効果に関するエビデンスとともに、安全性に関するエビデンスについても気になるところです。基本的には安全性が高いとされていますが、利用する上で知っておくべき注意点も存在します。

水素吸入の注意点

水素(H₂)は、体内では悪玉活性酸素と反応して無害な水になるだけで、体に蓄積して害を及ぼすことはないと考えられています。厚生労働省が食品添加物として認めていることからも、その安全性の高さに関するエビデンスの一つといえます。

しかし、注意すべき点もいくつかあります。製品を選ぶ際は、その効果や安全性に関するエビデンスを確認することも大切です。また、水素吸入はあくまで健康維持やコンディショニングを目的としたものであり、特定の病気の治療を保証するだけのエビデンスは確立されていません。何らかの疾患で治療中の方が、医師に相談なく標準治療を中断して水素吸入に切り替えるようなことは、絶対にあってはなりません。

安全に利用するためのポイント

水素吸入を安全に利用するためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

まず、機器選びが最も重要です。購入や利用を検討する際は、製品の仕様をよく確認しましょう。医療機関への導入実績がある製品は、その安全性や信頼性に関する一つのエビデンスになるでしょう。

次に、持病がある方や、現在何らかの薬を服用している方は、利用を始める前に必ずかかりつけの医師に相談してください。その際は、どのようなエビデンスがあるのか、自分にとって有益かどうかを尋ねてみるのも良いでしょう。

まとめ

この記事では、水素吸入の効果に関するエビデンスについて、多角的な視点から解説しました。

水素吸入には、悪玉活性酸素を選択的に除去するという科学的な作用機序のエビデンスが存在します。また、かつて厚生労働省の「先進医療B」として臨床研究がおこなわれた事実は、その医学的な可能性を示す客観的なエビデンスです。この公的なエビデンス構築の取り組みは重要です。

一方で、がん治療の副作用軽減や様々な疾患への応用は、まだ予備的なエビデンスが多く、今後のさらなるエビデンスの蓄積が待たれます。「エセ科学」というイメージは、明確なエビデンスがないままおこなわれた過去の宣伝によるものであり、地道な科学研究のエビデンスとは切り離して考える必要があります。

水素吸入は、安全性のエビデンスも示唆されていますが、その効果に関するエビデンスを正しく理解し、信頼できる機器を適切に利用することが重要です。今後も最新のエビデンスに注目し、冷静に情報を判断していくことが求められます。

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