水素水と水素ガス吸入はどう違う?その違いについて詳しく解説
2025-12-15

水素水や水素ガス吸入を見かける機会が増え、「どんな違いがあるのだろう?」と気になり始めた方も多いのではないでしょうか。
どちらも“水素を取り入れる方法”ではありますが、実は取り入れ方や特徴が大きく異なり、それが体験の差や続けやすさにもつながります。
「ガス吸入は本格的なイメージがあるけれど、実際どう違うの?」
「手軽に始めたいけれど、水素水で十分なの?」
「コストや安全性、効果には差があるの?」
このように、情報が増えたぶん、どちらが自分の目的やライフスタイルに合っているのか、迷いやすくなっています。
この記事では、水素水と水素ガス吸入の違いについて、摂取できる水素の量、医学的なエビデンス、それぞれのメリット・デメリットなど、さまざまな角度から徹底的に比較・解説します。この2つの違いを正しく理解し、ご自身に最適な水素の取り入れ方を見つけるためにお役立てください。
水素水と水素ガス吸入の明確な違い

まず、水素水と水素ガス吸入の基本的な違いを整理します。この違いは非常に重要です。どちらも体内に「水素」を届けるという目的は同じですが、その形態と摂取経路が根本的に異なります。この違いが、摂取効率や期待される応用の違いにつながっていきます。この違いを詳しく見ていきましょう。
水素水とは?
水素水とは、水素分子(水素ガス)が水に溶け込んでいる「水素溶解水」のことです。外見や味、匂いは通常の水とほとんど変わりませんが、特殊な技術(加圧溶解や電気分解など)によって、水の中に気体である水素を溶存させています。
最大の特徴は、「飲む」ことで水素を摂取する点です。飲料水として日常生活に手軽に取り入れられるため、最も普及している水素摂取方法といえます。
ただし、水素は宇宙で最も軽く小さい分子であり、非常に抜けやすい(揮発性が高い)という性質があります。そのため、ペットボトルやコップに注いだ状態では、時間とともに空気中に逃げてしまい、水中の水素濃度は低下していきます。この「水素の抜けやすさ」が、水素水の最大の課題であり、製品選び(アルミパウチなど密閉容器)や飲用方法(開封後すぐに飲む)で工夫が求められる点です。これが水素ガス吸入との大きな違いの一つです。
水素ガス吸入とは?
水素ガス吸入とは、専用の水素ガス発生器(吸入器)を使用し、水素ガスそのもの、あるいは空気や酸素と混合された水素ガスを、カニューレ(鼻用のチューブ)やマスクを通じて「呼吸」によって直接吸入する方法です。
最大の特徴は、肺から直接水素を吸収する点です。肺は、酸素を取り込んで二酸化炭素を排出する「ガス交換」の場であり、毛細血管が集中しています。水素ガス吸入は、この仕組みを利用し、水素ガスを直接血流に乗せて全身へ効率よく届けることを目的としています。この摂取経路の違いが重要です。
水素水と比べて、一度に非常に多くの水素を取り込むことが可能であり、その効率の高さから、医療分野での研究(先進医療など)や、専門のサロン、アスリートのコンディショニングなど、より積極的な水素摂取を目的とする場面で活用されています。ここに水素水との明確な違いがあります。
水素水と水素の違い
この2つの違いを問われることがありますが、これは「媒体」と「有効成分」の違いといえます。水素水と水素の違いは、製品と成分の違いです。「水素水」は、あくまで水素を運ぶための「媒体(キャリア)」が水である、という製品形態を指します。一方、「水素」は、私たちが摂取したいと考えている有効成分、すなわち水素分子(H2)そのものです。
例えるなら、「ビタミンCのサプリメント」と「ビタミンC」の違いを聞いているのに近いです。水素水は、水素という成分を飲むために水に溶かした「製品」であり、水素は期待される働きを持つ「成分」です。この違いを理解しておくことは重要です。
水素ガスと水素の違い
これもよく混同されがちな言葉の違いです。「水素」は元素記号「H」で表される元素そのものを指す場合と、一般的に健康・美容分野で使われる「水素分子(H2)」を指す場合があります。
一方、「水素ガス」は、水素が分子(H2)の状態で集まり、気体として存在している状態を明確に示す言葉です。
健康や医療の文脈で「水素」という言葉が使われる場合、そのほとんどは「水素ガス(H2)」のことを指しています。水素水も、水素ガス吸入も、体内に取り入れたいのはこの「水素ガス(H2)」です。したがって、この文脈における「水素」と「水素ガス」の間に、実質的な違いはほとんどないと考えて差し支えありません。言葉上の違いはあっても、成分としての違いはないのです。
水素水と水素ガス吸入の水素摂取量の違い

水素水と水素ガス吸入の最も決定的といえる違いが、一度に取り込める「水素の量」です。この摂取量の違いが、両者の特性を大きく分けています。この違いは、効果の違いにも影響する可能性があります。
水素水で摂れる水素の量
水素水の水素含有量は「ppm(ピーピーエム)」という単位で表されます。これは100万分の1を示す単位で、水1L(約100万mg)あたりに何mgの水素が溶けているかを示します。
水に溶ける水素の量は、1気圧・常温では約1.6ppmが飽和濃度(限界値)とされています。つまり、非常に高濃度とされる水素水1Lを飲んだ場合、摂取できる水素の量は最大でも約1.6mgとなります。
この1.6mgの水素を「気体」の体積に換算すると、約18mL(ミリリットル)に相当します。つまり、高濃度の水素水1リットルを飲んで、ようやく18mLの水素ガスを摂取できる計算になります。この量の違いが、次の水素ガス吸入との比較で重要になります。
水素ガス吸入で摂れる水素の量
一方、水素ガス吸入の摂取量は、機器の「ガス発生量(mL/分)」で表されます。
例えば、家庭用としても普及しているクラスの水素ガス吸入器で、1分間に30mLの水素ガスを発生させるものがあるとします。この機器で30分間、水素吸入をおこなった場合、体内に取り込まれる水素ガスの総量は「30mL/分 × 30分 = 900mL」となります。
高濃度の水素水1Lを飲んだ場合の摂取量が約18mLであったのと比較すると、水素ガス吸入(この例では900mL)がいかに桁違いの量の水素を摂取できるかが分かります。この圧倒的な摂取量の違いが、水素ガス吸入が注目される最大の理由です。この摂取量の違いは、明確な違いです。
摂取効率の大きな違い
前述の通り、水素水と水素ガス吸入では、摂取できる水素の「量」に数十倍から数百倍の違いが生まれます。この違いは非常に大きな違いです。
さらに、「摂取経路」の違いも効率に影響します。
水素水(経口摂取)
口から入り、胃や腸で吸収され、肝臓を通り、そこから全身の血流に乗ります。消化管での吸収効率や、肝臓での代謝(初回通過効果)の影響を受ける可能性があります。
水素ガス吸入(経肺摂取)
鼻や口から入り、肺(肺胞)に達します。肺胞はガス交換のために非常に薄い膜で毛細血管と接しており、水素はここから速やかに血流に入り、心臓を経て全身に送られます。
この「肺からの直接吸収」は、消化管を経由するよりも迅速かつダイレクトに水素を全身に巡らせる可能性があると考えられており、摂取効率の大きな違いを生む要因とされています。この経路の違いも、水素水との決定的な違いです。
酸素吸入と水素吸入の違い
水素ガス吸入としばしば混同されるものに「酸素吸入」があります。この二つは、目的もメカニズムも全く異なります。この違いは明確です。
酸素吸入
医療現場などで、呼吸不全などにより体内の酸素濃度が低下した際に、高濃度の酸素を供給し、生命維持に必要な血中酸素飽和度を保つためにおこなわれます。酸素はエネルギー産生(代謝)に不可欠な物質です。
水素吸入
体内の酸素濃度を上げるものではありません。水素ガス(H2)を取り込み、その水素が持つとされる「抗酸化作用(特に悪玉活性酸素へのアプローチ)」を期待しておこなわれます。エネルギー源として使われるわけではありません。
この2つの違いを混同しないよう注意が必要です。酸素と水素は、その役割に大きな違いがあるのです。
水素水と水素ガス吸入の効果とエビデンスの違い

水素水と水素ガス吸入は、どちらも「水素」の健康効果を期待するものですが、その研究の進展やエビデンス(科学的根拠)のレベルには違いが見られます。このエビデンスの違いが、信頼性の違いにもつながります。
水素水の研究とエビデンス
水素水の研究は、2007年に日本の研究グループが水素ガスの論文を権威ある医学誌に発表したことをきっかけに世界中で始まりました。
これまでに、動物実験やヒトを対象とした小規模な臨床試験において、水素水が酸化ストレスマーカーを改善する可能性や、運動パフォーマンスの維持、メタボリックシンドローム関連の指標への好影響などが報告されています。
ただし、これらの多くは基礎研究や探索的な臨床試験であり、水素水が特定の病気を「治療する」あるいは「予防する」と断言できるほどの強力なエビデンスは、現時点では確立されていません。主に、日々の健康維持や美容、コンディショニングを目的とした「健康食品」のカテゴリーで捉えられています。これが医療研究との違いです。
水素ガス吸入の研究と医療分野での活用
一方、水素ガス吸入は、その圧倒的な水素摂取量を背景に、医療分野での応用研究が活発に進められています。
特筆すべきは、日本において「水素ガス吸入療法」が、心停止後症候群(心停止後に蘇生したものの脳などに重いダメージが残る状態)の患者を対象に、「先進医療B」として承認された実績があることです(2016年〜。現在は評価期間終了等によりリストから外れています)。
「先進医療B」とは、将来的な保険適用を目指し、有効性や安全性を評価する段階にある高度な医療技術を指します。このように、水素ガス吸入は、重篤な病態に対する治療法の一つとして、国の制度下で真剣に研究されてきた歴史があります。
現在も、がん治療(放射線や抗がん剤の副作用軽減)、脳梗塞やパーキンソン病などの神経系疾患、炎症性疾患など、さまざまな分野で水素ガス吸入の臨床研究が進められています。ここに水素水との大きな違いがあります。
(参考:厚生労働省先進医療の概要について)
水素吸入は効果がない?
「水素水や水素ガス吸入を試したが、効果を感じなかった」という声も聞かれます。これにはいくつかの理由が考えられます。
体感の個人差:水素の効果の感じ方には大きな個人差があります。もともと酸化ストレスが少ない健康な人の場合、変化を感じにくい可能性があります。
摂取量の不足:水素水の場合、飲む量や製品の水素濃度が低い、あるいは開封後に水素が抜けてしまっているケースが考えられます。
期待値との違い:水素は万能薬ではありません。特定の悩みに即効性を期待しすぎると、「効果がない」と感じてしまうかもしれません。
継続期間の不足:体質の変化には時間がかかる場合があり、短期間の試用では判断が難しいこともあります。
この体感の違いは、摂取量の違いから来ている可能性があります。水素ガス吸入と水素水では、前述の通り摂取量に大きな違いがあるため、「水素水では体感がなかったが、水素ガス吸入では変化を感じた」というケースも考えられます。この体感の違いも、両者の大きな違いです。
水素水と水素ガス吸入 目的別の使い分けと違い

では、水素水と水素ガス吸入のこれらの違いを理解した上で、どちらを選べば良いのでしょうか。目的による違いを比較してみます。
美容・リラクゼーション目的なら水素水?
日々の美容習慣や、手軽な健康維持、リラクゼーションの一環として水素を取り入れたい場合、水素水が向いているかもしれません。
最大の理由は「手軽さ」です。水を飲むという日常の動作の中で、無理なく水素を摂取できます。高価な機器を必要としない、アルミパウチや缶などの飲み切りタイプから始められるのも利点です。
「高価な機器を導入する前に、まずは水素というものを試してみたい」という方や、「毎日少しずつでも継続したい」という方には、水素水が適しているといえるでしょう。この手軽さが水素ガス吸入との違いです。
疲労回復・健康維持・疾患予防なら水素吸入?
より積極的な健康管理、アスリートの疲労回復、あるいは将来的な疾患予防(医療研究の動向を踏まえて)に関心がある場合は、水素ガス吸入が選択肢に入ります。
理由は、やはり「圧倒的な水素摂取量」です。水素水を飲むのとは比較にならない量の水素を、効率よく体内に取り込むことを目指せます。
医療分野での研究が進んでいるのも、水素ガス吸入という方法です。しっかりとした体感を求めたい方や、集中的にコンディションを整えたい方には、水素ガス吸入が適していると考えられます。この摂取量の違いが、目的に対するアプローチの違いとなります。
コスト・手軽さ・継続しやすさで比較
コスト
水素水:アルミパウチや缶は1本あたり数百円程度ですが、毎日続けるとランニングコストがかさみます。水素水生成器は数万円から数十万円の初期費用がかかりますが、ランニングコストは比較的安価です。
水素ガス吸入:専門サロンでは1回数千円程度が相場です。家庭用の水素ガス吸入器は、数十万円から百万円を超えるものまであり、初期費用は非常に高額になる傾向があります。
手軽さ
水素水:非常に手軽です。飲むだけ、あるいは生成器のボタンを押すだけです。
水素ガス吸入:吸入器を準備し、カニューレを装着して、30分~1時間程度じっとしている必要があります。「ながら作業」は可能ですが、時間的な拘束は発生します。
継続しやすさ
「手軽さ」を重視するなら水素水、「摂取量(効果への期待)」を重視するなら水素ガス吸入、といえます。どちらが継続しやすいかは、個人のライフスタイルとコスト許容度によって違いが出ます。この継続性の違いも考慮すべき違いです。
水素水と水素ガス吸入のメリット・デメリットの違い

最後に、水素水と水素ガス吸入のそれぞれのメリット(利点)とデメリット(欠点)をまとめ、その違いを明確にします。この違いを理解することが大切です。
水素水のメリット・デメリット
メリット
- 飲むだけなので非常に手軽。この手軽さが大きな違いです。
- 水分補給と同時に水素摂取ができる。
- 日常生活の習慣(水を飲むこと)を変えずに導入できる。
- アルミパウチタイプなど、初期費用を抑えて試すことができる。
デメリット
- 水に溶ける水素の量に限界があり、摂取量が少ない。これが吸入との最大の違いです。
- 水素が非常に抜けやすく、高濃度を保つのが難しい。
- 飲み切りタイプは継続するとランニングコストがかさむ。
- 消化管を経由するため、吸収効率が吸入に劣る可能性がある。この経路の違いもデメリットです。
水素吸入のメリット・デメリット
メリット
- 水素水とは比較にならないほど、圧倒的に多くの水素を摂取できる。この量の違いがメリットです。
- 肺から直接血流に取り込まれるため、吸収が速く効率的と期待できる。この吸収経路の違いは大きいです。
- 医療分野での研究対象となっており、エビデンスの蓄積が進んでいる。
- サロンや家庭用機器で、集中的なケアが可能。
デメリット
- 家庭用機器は初期費用が非常に高額になりがたい。これが水素水とのコストの違いです。
- 吸入のために30分~1時間程度のまとまった時間が必要になる。
- 機器の設置場所やメンテナンスが必要になる。
- 水素は可燃性ガスであるため、機器(特に高濃度を謳うもの)の安全性や、火気の取り扱いには十分な注意が必要。
まとめ:水素水と水素ガス吸入の違いを理解する
「水素水」と「水素ガス吸入」は、同じ「水素」を取り入れる方法でありながら、その摂取量、摂取経路、コスト、手軽さにおいて、まったく異なる特徴を持っています。この違いは明確です。
- 水素水:手軽で日常に取り入れやすい「習慣」向け。摂取量は少ないが、まずは試したい人、毎日の水分補給として続けたい人におすすめ。
- 水素ガス吸入:高濃度の水素を大量に摂取できる「集中ケア」向け。初期費用や時間はかかるが、より積極的な健康管理を求める人、医療研究の可能性に期待する人におすすめ。
両者の違いは、どちらが優れているかという「優劣」ではなく、どちらが自分の「目的」に合っているかという「特性」の違いです。この違いを理解し、ご自身のライフスタイル、予算、そして水素に何を期待するのかを明確にした上で、最適な方法を選択してください。水素水と水素ガス吸入の違いを正しく知ることが、賢い選択につながります。