ホルミシスが健康に良いとされる理由とは
2024-03-10

ホルミシスという言葉を聞いたことがありますか?これは、少量の刺激が人体に良い影響を与えるという現象です。例えば、お酒やお風呂、日光浴などがそれにあたります。
しかし、ホルミシスにはもう一つ意外な刺激があります。それは意外なものとは、放射線です。放射線と聞くと怖いイメージがありますが、微量の放射線を浴びることは健康に良いのです。
この記事では、ホルミシスが健康に良いとされる理由や、放射線ホルミシスの効果や利用法について詳しく説明します。ホルミシス効果や健康に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
ホルミシスとは

ホルミシスとは、ギリシャ語で「刺激する」という意味の言葉で、あるものが多くあると体に悪いけれど、少しだけあると体にいいという現象のことです。化学物質や薬などにホルミシスの現象がみられます。ホルミシスは、生物が本来持っている力を引き出すという意味があります。ただし、ホルミシスの効果は個体差や条件によって異なり、必ずしも有益とは限りません。
少量の刺激が生体に良い影響を与える一方、過剰な刺激が生体に悪影響を与えるという二面性のある現象がホルミシス効果になります。これは、毒性学や医学などの分野で体に影響を与えるものの量や効果を評価するときに重要です。
ホルミシスの例
適度な運動は、筋肉や骨を強化し免疫力を高める効果が期待できます。しかし、過度な運動は逆に疲労や怪我を招きます。このように、刺激の量によって生体の反応が変わることがホルミシス効果です。
毒物学では、少しの毒物は生体に良い影響を与えるという原理が古くから知られており、薬品や抗生物質はこの原理に基づいて使用されています。つまり、ホルミシスの効果を得るためには、刺激の種類や量に注意しないといけません。日常のなかでホルミシス効果にあたるのは、以下のような物があります。
ホルミシス効果の例①:お風呂
適度な温度のお湯に浸かることで、体温が上昇し、血流が改善され、免疫力や代謝が向上するという現象がお風呂でのホルミシス効果です。しかし、お湯の温度が高すぎると、火傷や熱中症の危険があります。お風呂に入ることは健康にとって効果的ですが、過度な温度や時間は逆効果になるため、注意してください。
ホルミシス効果の例②:マッサージ
適度な機械的な刺激を受けると、筋肉や関節がほぐれ、痛みや疲労が和らぎます。これは、刺激が神経系や血管系に作用し、炎症や緊張を抑えるためです。しかし、力が強すぎると、打撲や筋肉痛の原因になるため注意しないといけません。
ホルミシス効果の例③:日光浴
適度な日光浴をするとビタミンDの生成が促進され、骨や免疫力が強くなります。これは、紫外線が皮膚に作用し、コレステロールからビタミンDを合成するためです。しかし、紫外線を浴びすぎると、肌へのダメージになるため日焼けや皮膚がんのリスクが考えられます。
ホルミシス効果の例④:アルコール
適度なアルコール摂取は、血液の流れを良くし心臓や脳の働きを改善します。これは、アルコールが血管を拡張し、血圧を下げるためです。しかし、アルコール摂取量が多すぎると、肝臓や脳に損傷を与え依存症や中毒の危険があります。
また、アルコールに依存すると、精神的・身体的な問題が生じ、生活や健康に悪影響を及ぼします。アルコールは、適量を守って飲むことが大切です。
放射線ホルミシスは健康に良い?

放射線は、一般的には体に悪いと考えられています。それは、過去の原発事故や地震などで放射線の危険性が強く印象づけられたからです。たしかに放射線が、身体の中に入ると細胞を壊したり、病気になったりすることがあります。
実は、自然の中にも放射線は存在しています。空から降ってくる放射線や、地中にある放射線などです。地球の磁場や大気によって減衰されていますが、完全には遮断できません。ただし、これらの放射線は、少しだけなら身体に害はなく、むしろ体にいいこともあるのです。
ただし、放射線の量や種類、個人差などによって、効果が変わります。また、放射線ホルミシスを目的として、無理に放射線を浴びることはおすすめできません。放射線は、適量なら体にいいかもしれませんが、過剰なら体に悪いからです。
放射線ホルミシスの効果
少量の放射線が、身体にいい影響を与える効果を調べた研究や治療の例を紹介します。
体に抗酸化作用を持つ物質を増やす
抗酸化作用とは、体の老化や病気の原因になる活性酸素を除去することです。マウスに少量の放射線をあてたら、抗酸化作用のある物質が増えました。これは、放射線によって体が自分を守ろうとする反応だと考えられます。
免疫力を高める
免疫力とは、体が病原菌やがん細胞などを攻撃する力のことです。マウスに少量の放射線をあてたら、リンパ球の免疫反応が高まる結果で得られました。これは、放射線に身体が対抗しようとした反応だと考えられます。
体の調整機能を改善する
ウサギにラドンという放射性物質を吸入させる実験をしました。その結果、血糖や血圧など身体を調整するホルモンの増加が見られたのです。これは、放射線の刺激によって身体がバランスをとろうとする反応が現れたと思われます。
糖尿病の発症を抑える
糖尿病とは、血液中の糖分が高くなる病気のことです。インスリン依存型糖尿病のマウスに少量の放射線をあてて、経過を追跡しました。その結果、照射していないマウスに比べて、糖尿病の発症が抑えられたのです。
放射線治療の効果を高める
悪性リンパ腫の患者さんに少量の放射線と局所放射線照射の併用治療を行いました。この研究では、放射線治療の効果が見られました。
参考元:日本原子力学会誌,VoL 44,No. 8 (2002)
放射線ホルミシスの仕組み
少量の放射線は、活性酸素と抗酸化作用のバランスを保つための働きがあります。現代人は、ストレスなどで活性酸素が多くなりがちです。そこで、食べ物やサプリメントでビタミンを摂ることが大切ですが、少量の放射線はそれよりも効果が期待できます。
放射線は、体の中の水分を分解して活性酸素というものを作ります。活性酸素は体の調子を整える物質です。ただし、活性酵素は多すぎると体を傷つけるため注意しないといけません。その活性酸素を消すために、自分で抗酸化酵素を作ります。
ホルミシス効果は、この作用によって免疫力や代謝が向上したり、ガンやアレルギーなどの予防になったりすると考えられているのです。ただし、放射線ホルミシス効果については、科学的にはまだ十分に証明されていません。注意してください。
放射線ホルミシスの歴史
放射線ホルミシスを最初に発見したのは、アメリカのトーマス・D・ラッキー博士です。彼は、宇宙に行った人たちが、地上の人よりも健康になっていることに気づきました。宇宙では、地上の100倍もの放射線を浴びているはずです。この結果を疑問に思い10年以上いろいろな実験をして、放射線の量によって体に与える影響が変わるということを発見したのです。彼は1982年にその研究結果を発表しました。
しかし、そのころの学会は、放射線はどんなに少なくても危険だという考え方が主流だったのです。1946年にノーベル賞を受賞したマラー博士が、ショウジョウバエに放射線を当てると染色体が変わることを見つけました。そして、放射線の量と染色体の変化は比例するということを発表し、50年以上放射線の安全基準を決めるために使われてきました。その結果、ラッキー博士の発表は無視されてしまいます。
日本の服部貞男博士の功績
1980年代後半になり電力中央研究所の服部貞男博士らが、ラッキー博士の発表に興味を持ちました。そしてラッキー博士の発表を検証するために、10年以上研究をしたのです。その研究結果により、ラッキー博士の言っていたことが正しいと証明しました。
更にこの研究によって、マラー博士が知らなかったことも発見します。それは、人間の体には、放射線によって傷ついたDNAを直す力があるということでした。強い放射線の場合損傷が激しくて修復は間に合いません。しかし、弱い放射線だと、その力が活性化されて、DNAが直されるのです。また、修復できなかったDNAは、自分で死んでしまい異常な細胞が残りませんでした。
マラー博士が実験につかったショウジョウバエの精子には、もともと修復能力がないため、放射線に弱かったのです。今では、ラッキー博士と服部博士の研究によって、放射線ホルミシスの効果が認められるようになりました。
医療の現場でも、放射線ホルミシスを利用できるようになりました。たとえば、ラドンという放射性物質が含まれる温泉に入ると、健康効果が期待できるということがわかっています。
放射線ホルミシスを利用した健康法

放射線ホルミシスを利用した健康法としては、ラジウムやラドンを含む温泉や岩盤浴、鉱物プレートなどがあります。しかし、放射線ホルミシスの効果は個人差があり、必ずしも期待通りになるとは限りません。持病がある方は、医師や専門家に相談してください。
高線量の放射線が、体に悪影響を及ぼすことは間違いありません。放射線は、正しく使って、正しく恐れることが大切です。
温泉、岩盤浴
日本にも、放射線ホルミシスの効果があるとされる温泉がたくさんあります。日本は火山列島であり、地中深くに埋まっている自然放射性鉱物の層から、ラジウムやラドンを含む地下水が湧き出しています。古くから、多くの人が湯治を行ってきました。
日本や世界には、放射線ホルミシスの効果が期待できる温泉や岩盤浴があります。代表的なものを紹介します。
玉川温泉

出典:玉川温泉
秋田県にある温泉で、放射性鉱物の北投石が特別天然記念物に指定されています。源泉から噴出するラジウムを含む温泉の蒸気や岩盤からのラジウムが、呼吸や皮膚から吸収されます。難病の治療に効果があるとして、多くの人が訪れます。
三朝温泉

出典:三朝温泉
鳥取県にある温泉で、世界有数のラジウム含有量を誇ります。850年以上の歴史があり、日本遺産にも認定されています。三朝温泉地域の住民のガン死亡率は、全国平均の約半分と低いことが報告されています。これは、空気中のラドンや土壌・岩盤からの微量放射線が、自然治癒力を高めていると考えられています。
ガシュタイナー・ハイルシュトレン

オーストリアにあるラドン治療坑道で、廃坑となった金鉱山の中に自然に溜まったラドンガスを利用しています。第2次世界大戦中には、捕虜が坑道内で元気になったという報告がありました。現在では、保険適用のラドン浴療法が行われており、多くのセレブや歌手が訪れています。
ホルミシス療法
放射線ホルミシスの効果は医療に応用されています。放射線ホルミシス療法は、クリニックなどで採用され、ホルミシスルームなどがあります。
効果が期待できるのは癌だけではありません。関節痛や呼吸器疾患、皮膚病などにも効果が期待できます。また、認知症や糖尿病、神経難病などにも期待が持てるといわれています。
ただし、ホルミシス療法は、万能の治療法ではなく、適切な指示と管理が必要な治療法です。注意してください。
ホルミシス商品
ホルミシス商品とは、放射線ホルミシスという現象を利用した商品のことです。しかし、ホルミシス商品の信用性は、商品自体だけでなく製造会社に依存します。購入する前には、十分に注意してください。
一部の商品例を以下に紹介します。
ラドンバン

出典:ラドミス
ラジウム・ラドン温泉効果とホルミシス効果がある貼り薬です。患部に貼ると血行が促進され、肩こり・腰痛・神経痛などが改善されます。ラドンソックスと併用するとさらに効果的です。
ラドンバス

出典:ラドミス
自然にあるラジウムの石から作ったラドンボールを入れた商品です。玉川温泉や三朝温泉のようなお湯が体感でき、ラジウムやラドンの効果が期待できます。
ラドンソックス

出典:ラドミス
ラジウムの石の粉を使って作った特別な靴下で、履くと石から出る力が足の血液の流れを良くしてくれます。冷えやすい人におすすめです。洗っても効果は変わらず、長く使えます。
ラドン水素スティック

出典:ラドミス
スティックをペットボトルに入れると、ラドンの水素水が作れます。飲泉を手軽に楽しめる商品です。
ラドンパック

出典:ラドミス
ラドンパックを常に身に着けていると鉱石からのエネルギーが放出され、ラジウムやラドンの温泉と同じように、ホルミシス効果が期待できます。
ラドンマット

出典:ラドミス
天然ラジウム鉱石の粉末にシリコン粘土を煉り込んで製作した商品です。枕カバーやベットシーツ及び椅子の上に敷いて使いましょう。快適な睡眠と肩こりや腰痛に対してホルミシス効果が期待できます。
まとめ
放射線ホルミシスとは、少量の放射線が人体に有益な作用をするという現象です。免疫力の向上、老化防止、がん予防などの効果が期待されています。
放射線ホルミシスを利用した健康法には、温泉や岩盤浴、ホルミシス治療やホルミシス商品などがあります。ただし過剰な放射線は有害なため、放射線ホルミシスを試す場合は、十分に注意して行ってください。
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