ラジウム温泉でおすすめの湯治宿5選

ラジウム温泉でおすすめの湯治宿5選

湯治(とうじ)は、病気やけがの療養を目的とし、ある程度の期間を使って温泉に浸かることです。弱った足腰の回復や手術後の療養として湯治をするイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、忙しい現代社会に生きる私たちにとっては、心を癒すことも大切な療養です。近年の健康志向の高まりから、温泉のもつ効能に着目した湯治が見直されているのです。

この記事では、健康になりたい人におすすめのラジウム温泉の湯治宿をご紹介します。

湯治(とうじ)とは

湯治(とうじ)とは

湯治とは、病気の治療や健康の回復を目的として温泉に入ることで、日本人にとってなじみが深いものです。温泉文化は社会の変化とともに役割が変わり、治癒よりも休養がメインの観光地として人々に利用されてきました。

温泉地に滞在すると心身への良い影響が報告されており、温泉の役割が注目されています。環境省は「新・湯治」というプロジェクトを推進し、現代のスタイルに合った温泉地の過ごし方を提案しています。

湯治について

温泉に浸かるだけでなく、飲泉(温泉水を飲むこと)も療養につながります。温泉に含まれる成分によってその効果は変わり、泉質によって体調に影響する可能性もあるため、注意が必要です。

また、湯治は回数が多ければ良いというわけではありません。ご自身の体調に合わせて行ってください。

湯治の歴史

かつては天皇や皇族が長期にわたり温泉地で滞在するなど、湯治は一部の上流階級のみがするものでした。庶民へ湯治が普及したのは江戸時代といわれており、この頃から学者や医師たちによる温泉の研究がすすめられてきたのです。

明治時代以降は西洋医学が取り入れられ、交通網が発達したことから、温泉は観光地としての役割が大きくなりました。このように、社会の変化とともに、湯治の役割は多様化しています。

現代の湯治とは?

現代の湯治とは?

多忙な生活に追われていると、何週間もかけて温泉地で療養することは困難です。現代人でも取り入れやすいように週末を利用して1人でも行きやすい湯治場が増えてきています。

現代ではSNSが発達し、あふれた情報にストレスを抱える人も多くいます。疲労やストレスによる自律神経失調症、めまいや不眠など体の不調に悩み、日常を離れて自然や歴史に触れて自分を見つめ直す人が増えているのも事実です。

また、リモートワークの推進により、湯治場で健康的なテレワーク生活を始める人もいます。
なお、環境省の調査によると日帰りや1泊2日の短期間の滞在でも疲れが取れたとの報告があり、自身のライフスタイルに合わせた湯治体験を取り入れてみてはいかがでしょうか。

湯治による効果とは?

湯治による効果とは?

湯治をすることで得られる効果についてみてみましょう。

湯治で期待できる効果

温泉に入ることで得られる効果には主に以下のようなものがあります。

  • ●温熱作用:体が温まり体温が上昇することで循環状態が改善し、老廃物が排出されたり、運ばれてきた栄養により傷んだ細胞が修復されたりする
  • ●水圧作用:マッサージ効果が得られ、血行が促進されることでむくみの改善につながる
  • ●浮力作用:浮力が働くことで足腰や関節への負担が軽減される

さらに、温泉に含まれる成分により、効果は変わります。たとえば、炭酸水素ナトリウムや塩化ナトリウムなどの保温効果の高い物質が含まれていると長時間におよぶ温熱作用効果が期待できます。マンガンやヨードが含まれている場合は、殺菌効果が期待できるため、皮膚疾患に有効です。

参考 温泉の効果効能とは?健康になるために大切なこと

ラジウム温泉における湯治の効能

ラジウム温泉は、温泉水に放射性元素の一種であるラジウムが含まれています。ラジウムはラドンに変化し、気体となったラドンガスを吸うことで健康効果を発揮します。その効果のひとつとしてラドンが脳下垂体を刺激して、痛みに関与する脳内ホルモンに働きかけることで、リウマチ、関節炎、筋肉痛、神経炎に効くと考えられているのです。

ラジウム温泉を利用するメリットは、微量の放射線が細胞に働きかけるホルミシス効果が期待できることです。ホルミシス効果とは、微量であるために有益な作用をもたらす現象を指します。私たちが使用したことのある薬や、毎日のように浴びている紫外線もホルミシス効果といえます。

放射線による被ばくを気にされる方もいらっしゃいますが、ラドンは自然界にも存在する物質です。土壌や水、空気中にも含まれ、食べ物や飲み物を摂取することで、日頃から放射線の影響を受けています。ラジウム温泉に含まれる放射線量は微量で、病院のレントゲン検査よりも少量ですし、気体のラドンは体に蓄積されない特徴があるため、ラジウム温泉は安心して利用できます。

なお、ラジウム温泉に入ると、がんが治ったという評判を聞くことがありますが、今のところがんに効くという明確な根拠は示されていません。しかし、ラドンの効果で免疫系が活性化すると考えられ、病気への関連を期待してラジウム温泉を訪れる人もいらっしゃいます。

参考 ラドン温泉で湯治に最適?効果や特徴を解説

ラジウム温泉で湯治を効果的におこなう方法

ラジウム温泉で湯治を効果的におこなう方法

伝統的な湯治は、1週間以上の滞在が望ましいとされていました。しかし現代では、日帰りや1泊の短期間でもおこなえる新・湯治が取り入れられています。

実際にどのようにおこなえばよいのでしょうか。注意点も合わせて解説します。

基本的な湯治の手順

体の負担を考えて、最初の入浴は3〜10分程度で、1日1〜2回が良いとされています。その後は15〜20分くらいを1日2〜3回とし、長時間の入浴は避けましょう。

温泉療法を開始してから3日〜1週間ほどで、気分不良や不眠など体調に変化が起こることがあります。その場合は入浴を中止するか回数を減らしてください。

ラジウム温泉では、蒸気に含まれるラドンガスを吸うと肺から成分が吸収され、健康効果が得られます。ゆっくりと深呼吸をして成分を体内に取り込みましょう。リラックスすることで心身の回復につながり、湯治の効果を発揮します。

湯治をする際の注意点

入浴はエネルギーを消費するため、体調に合わせておこなってください。脱水予防のため入浴前後の水分補給は欠かせません。

温泉には禁忌(きんき)といって、入ってはいけない場合があります。心臓や肺、重い腎臓病のある方、悪性腫瘍による全身の衰弱が著しい場合などは温泉に入れません。持病のある方は、主治医に相談することをおすすめします。

また、温泉水を飲むと直接体に作用するため、飲泉場にある表示を十分に確認してください。温泉水を持ち出すと成分が変化し、雑菌が繁殖するおそれがあるため、新鮮なうちにその場で飲むようにしましょう。

温泉療法医の指導を受ける

日本温泉気候物理医学会が認定した温泉療法医の診療を受けると、最適な湯治場を知ることができます。要件を満たした場合は、施設の利用料金や施設までの往復交通費が医療費控除の対象となる場合があります。

湯治宿とは?

湯治宿とは?

湯治宿とは、一般の温泉宿と違って療養を目的としている宿泊施設で、娯楽や観光をメインとしたものではありません。長期滞在ができるように1泊あたりの料金は安く設定されているのが特徴です。

食事は、栄養を考慮した健康的なメニューが中心で、地元で採れた新鮮な野菜や旬の魚介類などが用いられ、体に負担がかからないものが提供されます。なかには、自炊ができる設備を備えた施設もあり、療養生活に合わせた食生活を送ることも可能です。

また、短時間でも健康効果は期待できるため、最近では日帰りプランが充実している湯治宿もあります。滞在中にはゆっくりと体を休め、ストレスを解消できる場として現代においても健康増進に役立っています。

湯治宿の選び方

湯治宿の選び方

心地よく過ごせる湯治宿の選び方についてご紹介します。

立地で湯治宿を選ぶ

療養目的のため、通いやすい場所で選ぶ方法があります。湯治宿への行き帰りで疲れては本末転倒です。森林や海など、ご自身がリラックスできそうな場所から探すのもおすすめです。山間部で標高が高いと体へ負担がかかります。体力が心配な方は、平地でアクセスが良いところを選ぶと良いでしょう。

近年は新しい湯治宿あり方として、温泉地全体での魅力的な取り組みがおこなわれています。神社や仏閣など歴史・文化的遺産に触れる、自然散策をする、読書をする、など自分が穏やかに過ごせるような場所から探してみてはいかがでしょうか。

食事で湯治宿を選ぶ

湯治宿の食事は、健康を考えられたものが提供されます。豪華で派手な懐石料理ではなく、栄養バランスの取れる、素朴で体に負担が少ない点が特徴です。地元の美味しい新鮮なものを味わうと、体の内側から健康づくりができます。

長期滞在者に向けて、スタッフと同じような家庭的な食事を提供する施設もあります。素泊まりを選ぶと、湯治宿周辺の食堂を利用できるため、地域文化に触れることもできます。地域の人との関わりであたたかさが感じられ、心身の安定につながります。また、自炊ができる湯治宿を選ぶと、ご自身の体調に合わせて食事をとることができます。

費用で湯治宿を選ぶ

長期滞在を目的とした湯治宿の中には、過度なサービスを控えて料金を安く設定しているところもあります。宿泊回数に応じて適用される長期割引を使用するとお得です。

従業員による厚遇なサービスは省かれ、布団の上げ下ろしは自分でおこなう、洗面用具やタオルは自分で持ち込むなど湯治宿によってスタイルはさまざまです。予算に応じて湯治宿を選ぶのも良いでしょう。

ラジウム温泉でおすすめの湯治宿5選

ラジウム温泉でおすすめの湯治宿5選

健康効果が期待できる、ラジウム温泉で人気の湯治宿をご紹介します。

村杉温泉 風雅の宿 長生館(新潟県)

村杉温泉 風雅の宿 長生館(新潟県)

出典画像 村杉温泉 風雅の宿 長生館

村杉温泉は、全国でも有数のラドン含有量を誇ります。こちらの湯治宿は新潟県最大級の庭園大露天風呂を備えており、貸し切り露天風呂やテントサウナなど充実した設備が魅力的です。交互に温かい浴槽と冷たい浴槽に入ると健康効果も高まります。

湯治宿の周辺に足をのばすと遊覧船で川下り体験や登山が可能です。自然を満喫できるうえに、神社・博物館などの文化遺産に触れることもできます。

アクセスは良好で、東京から上越新幹線で約2時間、そこからバスに乗って約45分です。湯治宿に予約をすれば新潟駅から無料バスを利用できます。

所在地:新潟県阿賀野市村杉4632-8
電話番号:0250-66-2111
公式HP: https://www.chouseikan.co.jp/ 

三朝温泉 健康づくりの宿 ブランナールみささ(鳥取県)

三朝温泉 健康づくりの宿 ブランナールみささ(鳥取県)

出典画像 三朝温泉 健康づくりの宿 ブランナールみささ

三朝温泉は高濃度のラドン量を含み、昔ながらの雰囲気が漂っています。温泉水を飲んだり、ラドン熱気浴を利用することで成分を体内に取り込めます。バリアフリー風呂も設置されているため、ご年配の方や車いすの人も利用が可能です。

その日に採れた旬の食材を使った食事をいただくと、心身ともに癒されるでしょう。また、湯治宿周辺にある温泉街を散策しても楽しめます。手織り機を使った機織り体験や陶芸体験もでき、日常を離れて何かに没頭する作業はストレス発散につながります。

所在地:鳥取県東伯群三朝町三朝388-1
電話番号:0858-43-2211
公式HP:https://www.blancart.jp/ 

増富温泉 天然岩風呂の宿 不老閣(山梨県)

増富温泉 天然岩風呂の宿 不老閣(山梨県)

出典画像 増富温泉 天然岩風呂の宿 不老閣

5つの源泉は、すべてラジウム泉100%のかけ流しです。お湯の温度は約30〜36℃と低めで、なかには20℃前後の低温の温泉もあります。体への負担が少ないため、体力が低下している方にもおすすめです。

浴室内に併設されている蒸気吸入室でラドンガスを吸う、貸し切りのラジウム水晶風呂で自分だけの空間を満喫するなど楽しみ方はさまざまです。武田信玄の隠し湯のひとつとして伝えられる天然岩風呂は、湯船全体が大岩に囲まれており、岩全体からもラジウム温泉の効果が得られます。

山の中にひっそりとたたずむ湯治宿は、澄んだ空気に囲まれた最適な療養環境ともいえます。

所在地:山梨県北杜市須玉町小尾6672
電話番号:0551-45-0311
公式HP:https://www.furoukaku.jp/ 

秋田県 田沢湖 日本の山岳温泉リゾート 新玉川温泉(秋田県)

秋田県 田沢湖 日本の山岳温泉リゾート 新玉川温泉(秋田県)

出典画像 秋田県 田沢湖 日本の山岳温泉リゾート 新玉川温泉

新玉川温泉は、癒しの湯治宿で知られる玉川温泉と同じ源泉からお湯を引いています。大浴場には14種類の浴槽があり、露天風呂を利用すると季節の花々を眺めることができます。屋内岩盤浴に使われている御影石は、20年分の源泉由来成分がしみ込んでおり、天候を気にせずラジウム温泉の効果を感じることが可能です。

最新型ジム機器を使用してトレーニングができ、指導資格を持つスタッフにより、適切な運動プログラムを作成してもらえます。厚生労働省認定の「温泉利用型健康増進施設」であるため、医療費控除が受けられるのもメリットです。

客室は床の段差にも配慮されたバリアフリー設計で、滞在中も安全に過ごせます。

所在地:秋田県仙北市田沢湖玉川
電話番号:0187-58-3000
公式HP:https://www.shintamagawa.jp/ 

栃尾又温泉 宝巌堂(新潟県)

栃尾又温泉 宝巌堂(新潟県)

出典画像 栃尾又温泉 宝巌堂

栃尾又温泉は、天然ラジウムの含有量は日本第2位で、奈良時代に開湯したという歴史があります。周辺の宿は3軒という小さな温泉地は「何もしない贅沢」を味わえます。携帯電話の電波が届きにくい山奥の湯治宿では、日常から離れて静かな時間を過ごせるでしょう。おひとり様湯治プランも設定されており、価格が抑えられているため連泊時にも安心です。

魚沼産コシヒカリや、新鮮な地元の野菜を使用した食事を堪能できる魅力的な湯治宿で、疲れた自分をメンテナンスするのもおすすめです。

所在地:新潟県魚沼市上折立60番地乙
電話番号:025-795-2216
公式HP:https://www.ho-gan-do.com/ 

まとめ

かつては病気やけがの療養目的で過ごしていた湯治宿は、現代のスタイルに合わせて役割も変わってきています。ラジウム温泉に入ると、痛みの緩和や免疫系の活性化につながると期待されています。

なお、滞在時間が短期間であっても湯治で健康効果が得られることがわかってきました。忙しい現在社会で過ごしている人には、ラジウム温泉の湯治宿を利用することで疲れた体と心をいやせるでしょう。ぜひ、ご自分のライフスタイルに合わせて湯治宿を利用してみてください。

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