「ラジウム温泉は健康に良い」と聞いたことはありませんか。忙しい日々を過ごしていると、温泉地まで足を運ぶ時間がない人もいらっしゃると思います。また、病気の療養中や、足腰に支障があるなどが理由で出掛けることが困難な場合もあります。
休んでも疲れが取れない、持病による痛みがつらいなどと思われる方は、ご家庭でラジウム温泉の効果を体感されてはいかがでしょうか。
この記事では、ラジウム温泉で期待できる効果や、ご家庭でラジウム温泉を利用する方法についてご紹介します。
ラジウム温泉とは?
ラジウム温泉とは放射性元素を含む温泉のことです。微量の放射線を浴びることで得られるホルミシス効果により、健康増進効果が期待できるため、病気やけがの療養目的でラジウム温泉を利用する人が多くいらっしゃいます。
ホルミシス効果とは通常であれば有害なものが微量であるために良い作用を示すことで、薬や日光の紫外線などがホルミシス効果に当てはまります。
ラジウム温泉は全国各地にあり、なかでも高濃度のラドン量を含む人気の温泉地は、新潟県の村杉温泉や、鳥取県の三朝温泉などです。また、秋田県の玉川温泉は地熱を利用した天然岩盤浴があり、全国から大勢の人が療養に訪れています。
短時間の利用でもラジウム温泉の健康効果があると言われており、忙しい現在社会で生活する人に向けて、日帰りプランが充実している施設も多くあります。
ラジウム温泉の特徴
環境省による療養泉は10種類に分けられており、そのうちの一種類である放射能泉がラジウム温泉です。
主な適応症は以下の通りです。
- ●末梢神経障害
- ●冷え性
- ●高血圧(軽症)
- ●糖尿病
- ●高コレステロール血症
- ●胃腸機能低下
- ●痛風
- ●筋肉や関節の慢性的な痛みやこわばり
- ●不眠症
- ●肺気腫(軽症)
- ●喘息
- ●強直性脊椎炎
この他にもラジウム温泉に入ることでさまざまな健康効果が期待できます。しかし、体の状態によって、温泉に入ってはいけない場合もあるため、持病のある方は医師に相談することをおすすめします。
参考 あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは
ラジウム温泉とラドン温泉の違い
ラジウムは、岩石・鉱物・土壌などに含まれる放射性元素であるウランやトリウムが崩壊する過程でつくられる物質で、さらにラドンという気体に変化していきます。
ラジウム温泉にはラジウムの他に気体となったラドンやトロンなどの放射線物質を含みます。これに対し、一定以上のラドンガスを含むものがラドン温泉です。
しかし、ラジウム温泉で得られる効果のほとんどがラドンガスを吸うことによるもので、厳密に区別されず、ラジウム(ラドン)温泉と表記されているケースが多くあります。
参考 放射能泉は危険?効果やオススメの温泉を解説
ラジウム温泉で期待できる効果
温泉に入ること自体でも健康効果が得られます。ラジウム温泉に入ると、一般的な効能に加えて、ラドンによる効果が期待できます。
一部はお湯につかることで皮膚から成分が吸収されますが、ほとんどはお湯の蒸気を吸い込むことで、肺から直接体内に吸収されて効果が得られます。また、温泉水を飲むこと(飲泉)により直接体内に成分を取り込むことも可能です。温泉水は基準を満たした許可されているものしか飲めません。飲泉場に表示されている内容を確認し、適量を飲むようにしてください。
ここからは、実際にラジウム温泉を利用することで期待できる効果についてご紹介します。
温熱効果
温泉で体が温まると早くに体温が上昇し、保温効果により温泉を出てからも温かさを保てます。血液循環がよくなると痛みを感じる神経に作用して痛みがやわらぐ、筋肉の緊張が落ちることで腰痛・肩こりが軽減するなどの効果が得られます。
血液中の栄養や酸素の運搬がスムーズとなり、傷んだ組織を修復してくれるため、ケガ・やけどなどにも効果的です。血行が良くなると、コリの原因にもなる老廃物が排出されやすくなり、疲労回復につながります。
また、適度な熱の刺激が加わると、免疫細胞が活性化されて、体の抵抗力が強くなるという報告もあります。
水圧効果
温泉に入ると大きな水圧がかかることで全身にマッサージ効果を感じられ、手や足の先にたまった血液が心臓に戻りやすくなります。血行が良くなると、むくみが軽減され、冷え性にも効果的です。
しかし、お湯につかる面積が大きくなるにつれ、体が受ける影響も強くなるため注意が必要です。押し戻される血液量が増えると、心臓へ負担になる場合があります。また、胸の部分に大きな圧がかかることで呼吸に働く筋肉の横隔膜(おうかくまく)が押し上げられ、呼吸が苦しくなることも考えられます。心臓や呼吸器の持病がある方は、上半身はお湯から出した状態の半身浴がおすすめです。
浮力効果
水の中に入ると、入った物体の重さの分だけ水が押し出される浮力が働きます。首までつかると体重はおよそ10分の1になるといわれています。この浮力のおかげで体は重力から解放されて軽く感じることができ、体重を支えている関節や筋肉への負担が軽減されるのです。疲労をおこしている全身の筋肉や関節に効果的といえるでしょう。
さらに、体が軽く感じることでリラックスできるため、自律神経にもよい影響を与えてくれます。
ラジウム温泉のイオン化作用
ラジウムが変化してできる気体のラドンには強力なイオン化作用があります。体の細胞に働きかけ、自律神経を落ち着かせ、ホルモンや代謝異常を調整すると考えられています。
ラドンによるリラックス効果が期待できるため、ストレス解消にもつながるでしょう。新陳代謝が活性となり、老廃物の排出されることで疲労回復効果も得られます。アンチエイジング(若返り)の効果が期待できるのは、過剰な活性酸素を除去する働きによるものです。
また、ラドンは放射線のα(アルファ―)線を出しながら細胞に作用するため、リウマチや関節炎、神経炎などの痛みにも効果があるといわれています。
このような効果があるため、ラジウム温泉は病気療養に役立つと古くから人々に親しまれてきました。
参考 ラドン浴とは?どんな効果がある?
ラジウム温泉を家庭で利用するのは危険?
ラジウム温泉に含まれる放射線量は微量であるため、温泉に入ることで健康へ及ぼす影響は極めて少ないと考えられます。もともとラドンは自然界の土壌や水にも存在する物質で、私たちは日常生活の中で少なからず放射線による影響を受けているのです。また、気体となったラドンは体に蓄積されず、排出されやすい特徴があるため、ラジウム温泉をご家庭で利用することは問題がないといえます。海外では温泉療法に保険が適応されるほどです。とはいえ、人によっては体質に合わない場合もあります。体調がすぐれない時や、入浴途中に異変を感じた場合は入浴を控えるようにしてください。
ラジウム温泉を家庭で利用する方法
日々の疲れを癒し、心身ともにリフレッシュしたい人は、ご家庭でラジウム温泉を体験する方法があります。毎日の生活の中でご自身の健康づくりを叶えたい方は、こちらでご紹介する家庭用製品の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
ラドンバス
天然ラジウム鉱石を原料に煉り込んだラドンボールを浴槽に入れ、湯気に含まれる蒸気を吸い込むと、ご家庭のお風呂でラジウム温泉の効果を実感できます。ラドンの効果を得るために重要なのは、ゆっくりとリラックスするということ。深呼吸をして湯気を十分に吸い込み、体の中にラドンの成分を取り込みましょう。鼻の粘膜やのども潤い、健康に役立ちます。
参考 ラドンバス
ラドンパック
ラドンボール(天然ラジウム鉱石を原料に煉り込んだもの)をいつも身につけておくことで、ご家庭でもラジウム温泉効果が実感できます。カイロに使われるような不織布に入った天然ラジウム鉱石により血行が促進され、痛みのある部位に効果的に作用します。ご自身の体の中で不調と感じる部位に使用してください。
参考 ラドンパック
ラドン水素スティック
ペットボトルにスティックを入れるだけでラドン水素水が作れます。スティックをミネラルウォーターに1時間ほどつけておくのがおすすめです。ご家庭でもラジウム温泉での飲泉効果が得られ、直接体に健康成分を取り入れることが可能なうえに、水素の効果も得られます。浸けた水をスプレーボトルに入れておくと、お手軽にお肌や髪にも使用できます。
また、加湿ボトルにラドン水素スティックを入れてから加湿器を使用すると、室内はラドンガスで潤い、ご家庭でラドン浴を体感できるでしょう。
なお、スティックは、2週間に一度、10秒程度手早く煮沸してください。
参考 ラドン水素スティック
ラドンソックス
ラドンソックスを履くと、足元から血行が良くなるため冷え性の方におすすめです。ソックスの裏側には、高濃度ドイツ産ピッチブレンド鉱石の粉末が特殊プリントされています。就寝時や、室内用として履くだけで簡単に健康効果が期待できるソックスは、初心者の方でも取り入れやすいアイテムです。
また、特殊繊維が使用してあり、洗濯をしても効果が持続するという優れもので、長くお使いいただけます。
後述するラドンバンと一緒に使用すると、より健康効果が高まります。
参考 ラドンソックス
ラドンバン
天然ラジウム鉱石使用のシリコンを専用シートにセットし、肩こりや腰痛など痛みのある部分に貼ります。2〜3日ほどシールの粘着力が弱まるまで貼っておくことで血行が促進されて、ラジウム温泉の効果が感じられるでしょう。病気療養中の方で痛みが和らいだという口コミもあります。
シートをはがした後は、天然ラジウム鉱石入りシリコンは捨てないように注意してください。張替のシールは50枚付いています。ご家庭で使用していると、テープがはがれやすいと感じる人もいらっしゃいますが、肌が弱い人への負担が少ないともいえます。
上述しているラドンソックスとの併用がおすすめです。
参考 ラドンバン
ラドンマット
ご家庭の敷物として使用することで、ホルミシス効果が期待できます。ラドンマットには、天然ラジウム鉱石の粉末にシリコン粘土が煉り込んであり、ラジウム鉱石の粉末が飛び散る心配はありません。
肩こりの方には枕カバーとして、腰痛のある方はベットシーツとして使用するのがおすすめです。椅子の上に敷いてお使いいただいても構いません。毎日使用することで、質のよい睡眠が得られ、疲労回復や健康増進につながるでしょう。
参考 ラドンマット
ラドン吸入器
家庭用のラドン吸入器を使用することでもラジウム温泉の効果を実感できます。付属のマスクやチューブを使用して高濃度のラドンと酸素を同時に吸入し、直接体内にラドンの成分を取り入れることが可能です。入浴や着替えなどの手間もかかりません。
ラドン吸入器には加湿機能がついているのも嬉しいポイントです。タイマー機能が備わっているため、入眠中でも安心してお使いいただけます。
参考 ラドン吸入器
ラジウム温泉を家庭で利用する際の注意点
ラジウム温泉をご家庭で利用する際にはいくつか注意点があります。適切な方法で健康づくりに役立てましょう。
無理なく実践する
健康を目的とした入浴で、体調に無理をしながらおこなうと逆効果です。人によって温泉の成分が刺激になることもあるため、体調がすぐれない場合は中止するなど、様子を見ながら実施してください。
始めは数分程度の入浴とし、慣れたら15〜20分くらいで、長時間の入浴は避けましょう。脱水予防のために、入浴前後の水分補給も重要です。
タイミングに注意する
食事の前後に入浴すると体に負担がかかります。飲酒をすると血行が良くなりすぎるため、心臓への負担が心配です。ご家庭でラジウム温泉を利用するときには、入浴のタイミングに注意しましょう。
入浴時間のおすすめは寝る1時間半くらい前です。人間は体温が下がると眠くなる性質があるため、入浴で上がった体温が下がってくるとスムーズな眠りにつくことができます。
お風呂場の環境に注意する
急激な温度差により血圧が大きく変動し、心筋梗塞や脳卒中などをおこすヒートショックに注意が必要です。入浴前に1〜2分程度シャワーをかけてご家庭の浴室内をあたためておく、脱衣所には温風ヒーターを使用するなどの対策をおこなってください。また、勢いよくかけ湯をせず、手足の先から少しずつ心臓に向かってお湯をかけることで、体への負担が少なくなります。
家庭用製品は適切に使用する
ご家庭でラジウム温泉の効果を十分に実感するために、製品を適切に使用することが大切です。ラドン吸入器は壁や家具などから離れた場所に設置するなど、取り扱い説明書を確認したうえで使用してください。適切に使用することでより健康効果が高まります。
なお、小さなお子様がいらっしゃる場合は、ラジウム温泉に関連した家庭用品をお子様の手の届かないところに置くようにしましょう。
まとめ
ラジウム温泉に入ると、微量の放射線を浴びることで得られる効果により、疲労回復や自律神経を整えるなど健康の維持、増進につながります。温泉地まで出掛けることが難しい場合は、家庭用の製品を使うとご自宅でラジウム温泉の効果を実感できます。
天然ラジウム鉱石が煉り込んであるソックスを履く、敷物を利用するなど家庭用製品の種類はさまざまです。
こちらでご紹介した方法を参考に、ぜひご家庭でもラジウム温泉を利用して健康づくりに取り組んでみてください。