ホルミシス療法は危険?効果と注意点について徹底解説

  ホルミシス療法は危険?効果と注意点について徹底解説

現代社会はインターネットの普及により、膨大な情報に触れることが多く、毎日が目まぐるしく過ぎていきます。長時間労働に追われて睡眠時間の確保ができず、疲れが取れないと感じることはありませんか。また、慢性的な病気を抱えているため、少しでも健康な生活を送りたいと思う方も多くいらっしゃることでしょう。

毎日を明るく快適に過ごすために注目されているのが、ホルミシス療法です。これは、低線量の放射線を体内に取り込むことで、さまざまな健康効果を発揮するという理論に基づいており、ラジウム(ラドン)温泉を利用することもホルミシス療法のひとつです。この記事では、ホルミシス療法について、効果や注意点について解説します。

ホルミシス療法とは?

ホルミシス療法とは?

微量の放射線を浴びることで体内に取り込まれた成分が、健康効果をもたらすものをホルミシス療法といいます。ラジウム(ラドン)温泉と呼ばれる「放射線泉」に入浴することもホルミシス療法の一例です。この他にもホルミシスルームを利用することや、家庭用品を使用するなど、ホルミシス療法には多種多様なものがあります。

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そもそもホルミシスとは?

多量であると有害で、微量な場合はむしろ良い現象をおこすことをホルミシス効果といいます。この理論を最初に提唱したのは、NASAの医学顧問であるミズーリ大学のトーマス・D・ラッキー博士です。ラッキー博士は10年以上の年月をかけて、宇宙飛行士の健康問題について調査を続けました。

調査結果によると、従来の予想とは異なり、宇宙飛行士は宇宙で放射線を浴びても元気になって帰ってくるということが判明しました。微量な放射線の効果が注目され、その働きがホルモンのようなことからホルミシスと呼ばれており、ギリシャ語の「刺激する」を語源としています。

身近な例では、薬や予防接種などがホルミシス効果といえます。少量の場合は効果があり、多量になると有害になるものがホルミシス効果と考えるとよいでしょう。

日光を浴びることで受ける紫外線もホルミシス効果です。適度な日光浴は、骨の健康に役立つといったメリットもありますが、度が過ぎると皮膚トラブルをおこしてしまいます。

療法とは?治療なの?

治療(Treatment)とは、具体的な病気やけがなどを治すことで、医師や専門家によって診断された病気に対して、健康を回復させるためにおこなわれるものです。これには、医療機関でおこなわれる薬物療法や手術療法、放射線療法などがあります。

一方で療法(Therapy)とは、治療の方法を意味しており、問題を解決するプロセスのことです。特定の病気に対する専門的な理学療法や心理療法など、専門家が実施するものから、健康増進のための活動として、一般的におこなわれるものも含みます。具体的には、温泉療法や音楽療法など幅広い場面で用いられることが多いです。

ホルミシス療法の効果とは?

ホルミシス療法の効果とは?

ホルミシス療法で体内に取り込まれた微量の成分は、さまざまな細胞に働きかけます。放射線による主な健康効果は以下の通りです。

  • ●新陳代謝を活発にする
  • ●老廃物の排出
  • ●活性酸素の除去
  • ●自律神経を整える
  • ●免疫機能の向上
  • ●抗炎症作用

これにより、コリや痛みの原因となる老廃物が排出されやすくなって疲労回復につながります。血流が良くなることで、栄養素の運搬がスムーズになり、けがの回復にも役立ちます。

また、炎症を抑える働きがあるため、リウマチや肩こり、腰痛、神経痛などの慢性的な痛みを抱える人にとってもよい効果が期待できるでしょう。なかでも、自律神経が整うことで得られるメリットは数多くあります。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成り立っており、互いにバランスを取りながら体を調整し、その働きはアクセルとブレーキに例えられています。精神的ストレスがまん延する現代社会では、自律神経の調整がうまくいかず、動悸やめまい、食欲不振などの体調を崩す人も多いです。ホルミシス療法の効果により自律神経が整うことで、睡眠の質が向上し、胃腸の働きが良くなるなど、健康につながる可能性があります。

ホルミシス療法はがんに効く?

ホルミシス療法はがんに効く?

ホルミシス療法は、がんに効くといわれることがありますが、今のところはっきりした科学的根拠は示されておらず、治療法としては確立していないようです。しかし、がんに効くと考えられている要因はいくつかあります。ホルミシス療法により、体のサビといわれる余分な活性酸素が除去されることや、がんを抑制する遺伝子に働きかけるなどと考えられている点です。

それらが関連してホルミシス療法は、がんに効くと評価されているのかもしれません。実際のところ、がんの療養目的で日本有数のラジウム(ラドン)温泉を訪れる人も多く、がんの縮小や、症状緩和などの治療効果を期待して温泉地へ訪れ、効果を実感されている方もいらっしゃるようです。

また、専門的な領域では、放射性物質であるラジウムの性質を利用して、がんの骨転移の治療に使われています。この場合の放射性物質は、医療従事者が厳重に管理する放射性医薬品であり、一般的なホルミシス療法とは異なります。

ホルミシス療法の種類

ホルミシス療法の種類

わずかな放射線を体内に取り込み、健康効果が期待できるホルミシス療法の種類は多種多様で、ラジウム・ラドン温泉を利用することもひとつの方法です。温泉以外にも種類はあり、ここからは、実際に利用できるホルミシス療法についてご紹介します。

ラジウム・ラドン温泉を利用する

もともと温泉療法は、古くから病気の療養目的で「湯治(とうじ)」と呼ばれた健康法として利用されてきました。湯治とは、温泉地にある宿で長期に滞在し、けがや病気の療養として体調を整えることで、かつては天皇などの上流階級の人がおこなっていました。庶民には江戸時代の頃から親しまれてきた日本古来の健康法です。

多忙な日常生活に追われる現代人にとっては、温泉地で長期に滞在することは困難な場合も多いでしょう。環境省は、従来の湯治とは異なった週末などの短時間でも利用できる新湯治プロジェクトを進めています。健康効果だけではなく、地域資源を活用し、社会問題を解決するといった温泉の役割が見直されているのです。

参考 新・湯治の推進−温泉地の活性化に向けて−|環境省

ラジウム(ラドン)温泉は、温泉の分類のひとつである放射線泉に含まれます。温泉を利用することで、体内に成分が取り込まれ、ホルミシス効果を発揮して健康につながるというものです。お湯につかって皮膚から成分が吸収されるよりも、蒸気を吸い込むことで肺から成分が吸収される方が多いとされており、温泉地ではリラックスして湯気を吸い込むように深呼吸することをおすすめします。

日本国内には、健康効果が高いとされるラジウム(ラドン)温泉が数多くあります。秋田県の玉川温泉や鳥取県の三朝温泉は人気の温泉地です。

なお、ラドンは人工的に作り出すことも可能なため、人工のラドン温泉もあります。ホルミシス療法を受け、日々を快適に暮らしたい方は利用してみてはいかがでしょうか。

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ホルミシスルームを利用する

放射線物質であるラジウムから変化したラドンガスを使用した施設は、ホルミシスルームといわれ、利用することでホルミシス療法が受けられます。成分を含有した鉱石を敷き詰め、空間自体でラドンガスを吸入できるなど、施設ごとの特徴があります。温泉とは違って服を着たまま利用できる施設の場合は、気軽に利用できるでしょう。

また、クリニックなどでもホルミシスルームが設置されており、医師に相談しながらホルミシス療法を受けることが可能です。ただし、ホルミシス療法は健康保険で認められた治療ではないため、診療代は自費負担となり、高額になる傾向があります。なお、カプセル内で横になり、高濃度のラドンと酸素を同時に吸入できるホルミシス療法が受けられる施設もあります。

参考 ラドン温泉ホルミシスルームのオンライン予約

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ホルミシス商品を利用する

仕事が忙しい方や、体調によって温泉地や、ホルミシス療法を実施している施設まで出掛けることが困難な場合は、家庭で利用できる商品を使用してみてはいかがでしょうか。主な家庭用品は以下の通りです。

  • ●入浴剤
  • ●くつした
  • ●ベルト
  • ●ブレスレット
  • ●手足のサポーター
  • ●枕カバーやシーツとして使用できるマット
  • ●肌着
  • ●ミネラルウォーターに入れておくだけのスティック
  • ●痛みのある部位に貼って使用するシート
  • ●吸入器

こうしたホルミシス効果の感じられる家庭用品を取り入れることで、疲労回復や質のよい睡眠につながり、日々の生活が豊かになる可能性があります。

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ホルミシス療法は危険なの?

ホルミシス療法は危険なの?

放射線物質は、体に悪影響なのではと心配になる人もいらっしゃるでしょう。ですが、ホルミシス療法で使用される放射線物質の量は微量で、健康に問題はないとされています。

ホルミシス療法で得られる効果は、主に放射線元素であるラジウムから変化した気体のラドンによるものです。体内に取り込まれたラドンは蓄積されず、排出されやすい特徴があります。

さらに、ホルミシス療法で使用される放射性物質の量は微量で、病院でレントゲン検査を受けるよりも被ばく量は少ないです。身近なところでは、大気や土壌にもラドンは含まれており、飛行機に乗って高度な上空で過ごしていても被ばくしています。また、食品にも放射線が含まれているなど、私たちの日常でも放射線は存在しています。

しかし、ラドンは肺がんのリスクであると報告されているのも事実ですから、気がかりになってしまうでしょう。一方で、高濃度のラドンを含む鳥取県の三朝温泉では、がんの死亡率が低いという報告もあります。この地域では温泉を飲む習慣もあるため、放射線のラドンが危険であるとは一概に言えません。

なお、日本では健康保険の対象ではありませんが、ヨーロッパではホルミシス療法であるラドンガスの吸入などが保険適応にされています。

ホルミシス療法の注意点

ホルミシス療法の注意点

ホルミシス療法を受ける場合には、どのような点に注意したらよいのでしょうか。具体的な内容を説明します。

体質によっては合わない人もいる

微量の放射線物質は、体にとって良い成分ではあるものの、残念ながら合わない人もいらっしゃいます。ホルミシス療法を受けていて体調に変化がおこる場合は、一時的な反応と安易に判断せず、中止をした方がよいでしょう。

特に持病のある方は注意が必要です。ラジウム(ラドン)温泉を利用する際に注意していただきたいことは、温泉に入ってはいけないケースの禁忌もあるということ。進行した悪性腫瘍や、高度の貧血など、病状によっては入浴を控えた方がよい場合もあります。

心臓や呼吸器の病気がある方も、体には負担です。病気を抱えている方は、医師に相談することをおすすめします。

なお、正しい温泉・気候・物理療法指導がおこなえる温泉療法医の資格制度があり、全国各地の医師が認定を受けています。気になる方は日本温泉気候物理医学会のホームページをご覧ください。

参考一般社団法人 日本温泉気候物理医学会

正しく製品を使用する

ホルミシス療法がおこなえる家庭用品を使用する場合は、正しい製品を選ぶようにしましょう。商品を手に取るときは、測定値や製品の品質、安全性に対する保証の記載があるかを確認します。

なかには、残念ながら効果が期待できない商品もあります。健康に関わるため、製品の使用方法に十分注意して、推奨される使用頻度や方法を守るようにしてください。

また、ホルミシス療法には潜在的な副作用やリスクが伴う場合もあります。情報を事前に調べ、自分の健康状態や病状に適しているかを確認しておくと安心です。

まとめ

ホルミシス療法とは、微量の放射線物質を体内に取り込むことで、健康効果が得られることです。主に放射性元素であるラジウムから変化したラドンガスの吸入により、新陳代謝が盛んとなり、老廃物が排出されて疲労感の回復につながります。また、免疫力向上や自律神経を整えてくれる作用もあり、忙しい毎日を過ごす人にもメリットは多いです。

ホルミシス療法を受けるには、ラジウム(ラドン)温泉や、ホルミシスルームを利用する方法があります。お近くに施設がない方は、ホルミシス効果の得られる家庭用品を使用するのもおすすめです。効果や製品の特長を十分に理解したうえで、健康づくりに役立ててください。

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