有馬温泉の効能とは?効果や注意点など徹底解説有馬温泉

 【有馬温泉の効能とは?効果や注意点など徹底解説有馬温泉

日本にはたくさんの温泉地がありますが、その中でも特に長い歴史を誇り、老若男女に人気があるのが「有馬温泉」です。有馬温泉は自然の豊かさや寺町の美しさはもちろん、温泉の泉質の良さでも知られています。

しかし、実際に有馬温泉への訪問を検討するにあたって、具体的にどのような効能があるのかが気になっている方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、有馬温泉の効能・効果や、入浴時の注意点などについて、詳しく解説していきます。

また、有馬温泉の歴史や、おすすめの温泉施設などについてもご紹介します。これから有馬温泉への湯治や旅行を考えている方は、ぜひ参考になさってください。

有馬温泉とは

有馬温泉とは

有馬温泉は、兵庫県神戸市にある、全国的に有名な温泉地です。群馬県の「草津温泉」、岐阜県の「下呂温泉」と並び、日本三名泉に数えられています。有馬温泉には数多くの温泉施設が立ち並び、六甲山地の山峡という立地を生かし、都会の喧騒から離れた静寂さを味わえ、風光明媚を楽しめる点でも人気があります。

後ほど改めて取り上げますが、有馬温泉には「金泉」「銀泉」の2つの温泉があり、それぞれに効能が異なっています。そのため、リラックス目的の温泉浴にはもちろん、健康や美容のための湯治としてもおすすめの温泉地です。

有馬温泉の歴史と文化

有馬温泉の歴史は、神代の頃にさかのぼります。通説によると、最初に有馬の地を訪れたのは、大已貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)という2人の神様だったといわれています。

彼らが有馬を訪れた際、3羽の傷ついたカラスが水たまりで休んでいて、数日でその傷が癒えたことから、有馬温泉の効能が神々の知るところとなったのです。この言い伝えは「有馬の三羽からす」と呼ばれています。

その後、飛鳥時代の頃に舒明天皇や孝徳天皇などがこぞって入浴を楽しんだといわれ、有馬温泉は一躍有名な温泉地となりました。そして、かの豊臣秀吉も有馬温泉を大変愛したといわれ、天災によって被害を受けた建物などの復興に尽力したといわれています。そのため、現在でも有馬温泉各地には豊臣秀吉にまつわるスポットが数多くあり、さまざまな逸話が残されています。

参考:有馬の歴史|有馬温泉

有馬温泉はどこにある?

有馬温泉は、兵庫県神戸市の北区にあります。「有馬」は後年に生まれた当て字であり、もともとは「有間」と書きました。その名前の通り、山と山の「間に有る」温泉地であり、自然豊かで閑静な雰囲気が特徴的です。

とはいえ、有馬温泉へのアクセスは悪くなく、神戸市の中心地からは自動車や公共交通機関で片道30〜45分程度で着きます。また、神戸空港からはバスや電車を乗り継いで1時間強で有馬温泉にアクセス可能です。そのため、東京や大阪などから訪れる方にとっても、アクセスしやすい温泉地だといえるでしょう。

有馬温泉の泉質

有馬温泉の泉質

泉質とは、温泉に含まれる化学成分のことであり、有馬温泉は非常に泉質の高い温泉として知られています。環境省では、療養に効果のある温泉(療養泉)として10の泉質を区分していますが、有馬温泉にはそのうち以下7つの泉質が含まれています。

また、有馬温泉は性質の違いによって「金泉」と「銀泉」に分けられています。それぞれの特徴の違いについて、以下で順に確認していきましょう。

参考:温泉療養のイ・ロ・ハ|環境省

有馬温泉 金泉の特徴

有馬温泉を象徴する「金泉」は、鉄分やミネラル、炭酸ガスが多く含まれている点が特徴です。もともとは無色透明の温泉ですが、空気に触れることで含有される鉄分が酸化し、金色に見えることから金泉と呼ばれるようになりました。

有馬温泉の金泉は、腰痛や高血圧、末端血行障害などに効果があります。また、冷え性や貧血など女性に多い症状にも効果が高いことから、別名「婦人の湯」とも呼ばれています。

それに加え、海水の約1.5倍といわれるほど豊富な塩分を含むため、肌の保湿効果や保温効果が高く、火傷や皮膚疾患にも効果があるといわれています。お湯だけでなく、湯気にも有効成分が含まれているので、温泉に浸かれない方の湯治にも効果的です。

有馬温泉 銀泉の特徴

有馬温泉の「銀泉」は、ラドンと炭酸ガスを豊富に含む点が特徴です。先ほどの金泉とは対照的に鉄分の含有が少ないため、真水のように無色透明で飲用としても利用できます。

銀線に含まれるラドンは放射能の1種であり、新陳代謝や自然治癒力を向上してくれます。放射能と聞くと、発がんなどの不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、有馬温泉に含まれるラドンは微量(100ミリシーベルト以下)なので、人体に悪影響を及ぼす心配はありません。むしろ、微量のラドンを浴びることは、健康促進に効果があるといわれています。

また、銀泉に含まれる炭酸ガスは、血流改善や肌の老化防止などに効果的です。このような性質から、銀泉は別名「若返りの湯」とも呼ばれ、幅広い年代の方に人気があります。

有馬温泉の効能

有馬温泉の効能

有馬温泉の効能(適応症)は、非常に多岐にわたります。金泉と銀泉それぞれで期待できる効能としては、以下のものが代表的です。

金泉の効能(適応症) 炎症性および非炎症性のリウマチ疾患、外傷、手術後のリハビリテーション、慢性附属器炎、機能性不妊症、自律神経系障害、乾癬(かんせん)
銀泉の効能(適応症) 高血圧症、末梢動脈閉塞性疾患、機能性動脈循環障害、無治性の傷、手足の局所的循環障害、硬直性脊椎症、関節の退行性症状、慢性多発性関節症、脊椎の退行性疾患、慢性痛風、関節、筋肉リウマチ、軽度の末梢性動脈血行障害、更年期障害、気管支性ぜんそく

引用:泉質|有馬温泉

有馬温泉でおすすめの温泉施設

有馬温泉には、数多くの温泉施設があり、日帰りから泊まりまで、いろいろなスタイルで温泉を楽しめます。ここでは、有馬温泉で特におすすめしたい3つの温泉施設をご紹介します。これから有馬温泉を訪れてみようか検討している方は、ぜひ参考になさってください。

太閤の湯

太閤の湯

画像出典:太閤の湯 公式HP

「太閤の湯」は、有馬温泉でも有数の規模を誇る日帰り温泉施設です。金泉と銀泉の蒸気浴が楽しめる「黄金の蒸し風呂」などをはじめ、26種類のお風呂と岩盤浴が用意されています。

タオルや館内着が付いているので、手ぶらで楽しめる点も魅力です。施設の外には、六甲の自然の中で森林浴が楽しめる「官兵衛の古道」もあり、単身からカップル、家族連れまで幅広く楽しめるでしょう。

住所 〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町池の尻292−2
電話番号 078-904-2291
ホームページ https://www.taikounoyu.com/

銀水荘 兆楽

銀水荘 兆楽

画像出典:銀水荘 兆楽 公式HP
「銀水荘 兆楽」は、自家源泉の金泉・銀泉を楽しめる、有馬温泉で人気の湯宿です。宿泊はもちろん、日帰りでの利用もできます。ただ、年末年始の約1週間は日帰り利用ができないので注意してください。
大浴場と露天風呂「檪の湯」が人気で、色々なタイプの客室が用意されています。なかには、露天風呂付別邸の「紫貴」や貸切露天風呂もあるので、家族だけでのんびり過ごしたいという方にもおすすめです。
地元の海産や和牛などを使用した季節に見合った料理も楽しめ、格別の時間を過ごせるでしょう。

住所 〒651-1401 兵庫県神戸市北区有馬町1654-1
電話番号 078-904-0666
ホームページ https://choraku.com/index.php

金の湯 銀の湯

金の湯 銀の湯

画像出典:金の湯 銀の湯 公式HP

「金の湯 銀の湯」は、有馬温泉で古くから元湯として歴史を刻んできた温泉施設です。金銀それぞれで建物が異なっていて、まず「金の湯」では有馬温泉の名湯「金泉」を堪能できます。建物横には無料の足湯もあるので、近くを通りかかった際に足湯だけ楽しむのも良いでしょう。

続いて「銀の湯」では、炭酸泉とラジウム泉を特徴とする「銀泉」が楽しめます。また、スチーム式サウナもあるので、ととのいを求めて来訪するのもおすすめです。周辺には多くのお寺があるので、入浴後は情緒ある街並みを散策する楽しみもあるでしょう。
 

住所 金の湯:
〒 651-1401 神戸市北区有馬町833
銀の湯:
〒 651-1401 神戸市北区有馬町1039-1
電話番号 金の湯:
078-904-0680
銀の湯:
078-904-0256
ホームページ https://arimaspa-kingin.jp/index.html
   

有馬温泉へ入浴する際の注意点

有馬温泉へ入浴する際の注意点

有馬温泉は、正しく入浴すれば数多くの効能を得られる温泉です。しかし、場合によっては入浴がかえって健康に悪影響を及ぼすこともあるので、注意が求められます。

ここでは、有馬温泉に入浴する際の注意点を4つ厳選してご紹介します。これから有馬温泉に行く方は、ぜひ事前に確認しておきましょう。

食事をした直後の入浴は控える

有馬温泉に入浴する際は、食事をした直後は控えるようにしましょう。食事をしたあとは、食べたものを消化するため体内の血液が胃に集中します。

しかし、温泉に入ると全身の血流が良くなるため、胃へ送られる血液量が少なくなってしまいます。その結果、消化不良を起こしてしまう可能性があります。そのため、有馬温泉に入浴する際は、食後30分〜1時間程度時間を置き、十分な食休みを取るようにしましょう。

お酒を飲んだ状態での入浴はしない

有馬温泉では、お酒を飲んだ状態での入浴はやめましょう。お酒を飲むと、アルコールが血液を通って脳に運ばれて、一種の酩酊状態になります。これがいわゆる「酔う」という感覚です。有馬温泉に入浴すると、有効成分によって血中の血流が良くなり、結果的に脳に送られるアルコール成分も増え、酔いが回るリスクが高まります。

また、入浴によって血圧が急激に変わった結果、脳が貧血状態に陥る可能性もあります。そのため、有馬温泉に入る前はお酒を飲まないよう心がけましょう。

運動後は十分に休んでから入浴する

有馬温泉では、運動直後の入浴は控えるようにしましょう。たとえば、ランニングなどの運動をするとたくさん汗をかくので、温泉に入ってさっぱりしたいと感じるものです。

しかし、運動直後は使用した筋肉の疲労を回復するため、血液が集中します。そこで温泉に入ってしまうと、血液が全身に分散し、十分な筋回復ができなくなってしまいます。

また、運動によって血流が良くなった状態で入浴すると、心臓への負担も大きくなりかねません。そのため、運動後は少なくとも30分程度休んだうえで、身体が落ち着いたことを確認してから温泉に入るようにしましょう。

浴槽に入る前に掛け湯をする

有馬温泉で浴槽に入る際は、必ず掛け湯をするようにしましょう。掛け湯は、入浴する身体を清めるエチケット・マナーの側面もありますが、急激な温度変化による身体への負担を和らげる効果もあります。特に高齢者や高血圧の方、心臓や呼吸器などに疾患のある方は、掛け湯なしの入浴リスクが高くなります。

掛け湯は、いきなり頭や胸などにかけず、手足から掛けることが大切です。十分に身体を有馬温泉の温度に慣らしたうえで、ゆっくり入浴しましょう。

有馬温泉の禁忌症について

有馬温泉の禁忌症について

有馬温泉に入浴する際は、禁忌症についても理解しておくことが大切です。禁忌症とは、温泉に入浴したり、温泉水を飲用したりすることで生じる危険のある病気のことです。有馬温泉に限らずですが、以下の症状がある場合は、温泉の入浴を控えるようにしてください。

また、妊娠中の方の入浴も危険が伴うので控えましょう。そのほか、体調が優れない場合も、入浴によって気分が悪くなる恐れがあるので注意してください。

まとめ

今回は、有馬温泉の効能や泉質、入浴時の注意点などについて、詳しく確認してきました。有馬温泉は日本有数の温泉地として知られ、特に鉄分が多く金色をした「金泉」、ラドンと炭酸ガスを豊富に含む「銀泉」が特徴的です。

有馬温泉の金泉にはリウマチ疾患や外傷、自律神経系障害などを癒す効能があります。また、銀泉は高血圧症や関節痛、更年期障害、気管支ぜんそくなどの改善に効果があるとされています。

有馬温泉には日帰り温泉から湯宿まで色々な施設が揃っているので、湯治目的にはもちろん、観光旅行として訪れるのもおすすめです。今回ご紹介した内容を見て興味を持たれた方は、ぜひ一度有馬温泉を訪れてみてはいかがでしょうか。