喘息は治るのか?主な症状や治療について解説

 喘息は治るのか?主な症状や治療について解説

喘息は特定のアレルゲンや刺激物質などによって気道が慢性的に炎症を起こす病気です。咳や喘鳴などの発作症状が起こると日常生活に支障をきたすこともあるため、コントロールするために適切な治療を続ける必要があります。

この記事では、喘息の症状や治療法について詳しく解説します。医療機関で指示される治療法の他に、症状を和らげる手段についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

喘息とは

喘息とは

喘息は気道(鼻や口と肺までの空気の通り道)に慢性的な炎症が起こることによって引き起こされる呼吸器の疾患です。気道があらゆる刺激に対して過敏になり、発作を起こすことで狭くなって、呼吸困難や咳、喘鳴(※)などの症状が現れます。

(※)喘鳴:呼吸をするときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」などの音がする症状

喘息が起こるメカニズム

喘息は以下のメカニズムによって起こります。

特定のアレルゲンや刺激物質が気道に入り、気道の粘膜に存在する免疫物質がそれらを攻撃して炎症を起こします。炎症が起きると気管支の筋肉が過剰に反応して収縮し、気道が狭くなることで症状が見られるのです。

喘息の症状

喘息では以下のような症状が現れます。

これらの症状は、特に夜間や早朝に悪化しやすくなります。夜間や早朝は副交感神経のはたらきが優位になるため気道が狭くなったり、就寝中にハウスダストやダニなどのアレルゲンを吸い込んだりするからです。

症状の程度は個人差が大きく、軽度の咳から重度の呼吸困難までさまざまです。症状をコントロールし、健康的な生活を送るためには、適切な治療と生活管理が必要になります。

喘息の原因

喘息の原因

喘息が起こる原因は、遺伝や体質などの個人的な因子と、アレルゲンなどの環境因子にわかれます。喘息が起こる原因を把握することは、適切な治療方針を立てるために重要です。

個人的な因子

喘息は、個人的な因子によって発症リスクが異なります。喘息の家族歴がある人、アレルギーやアトピー体質の人、気道が過敏になりやすい人は喘息にかかりやすいです。

喘息の発症率は、子供では男児が女児よりも多く、大人では男性より女性がやや多いです。子供は喘息が起きやすく、初発する年齢が年々低くなっており、2012年の統計では0歳の発症率が最も高いことがわかっています。

参考:日本小児アレルギー学会「小児気管支喘息ガイドライン2023」

子供の喘息は思春期が近づくにつれて症状が軽快するケースが多いです。しかし、なかには大人まで症状が続いたり、大人になって初めて喘息の症状がでたりすることもあります。

環境的な因子

喘息を引き起こす環境的な因子は以下が例として挙げられます。

喘息を引き起こす環境的な因子は幅広く、喘息患者の生活環境に広がっています。特に喘息を起こすきっかけになりやすいアレルゲンは、ダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどが含まれます。PM2.5などの大気汚染も、粒子状の物質が生活環境にいき渡ることによって喘息症状を悪化させるケースが多いです。

喘息は治る?

喘息は治る?

子供の喘息は乳幼児から発症するケースが多いですが、成長に伴い減っていくのが特徴で、適切な治療で治すことが可能です。しかし、一度治っても大人になってから再発して再び治療が必要になる例もあります。

一方、大人の喘息は治療で根本的に治すことが難しく、長期間にわたって付き合っていく必要があります。大人は子供よりも喘息を悪化させる要因が多く、はっきりとした原因がわかりづらいからです。大人の喘息の治療は、発作をコントロールすることで、喘息がない人と同様の生活が送れることを目的におこないます。

喘息は適切な治療をしなければ、気道がさらに敏感になって厚くなり、狭くなることで発作がより起きやすくなります。定期的に受診し、個々に合った治療法を選択してもらうことが大切です。

喘息の治療法

喘息の治療法

喘息の主な治療法は薬物療法です。特に大人の場合は、発作が起きていないときでも気道の炎症を抑えるために毎日の日常生活で続ける必要があります。治療は医師の指示のもと、個々の状態に合わせた内容で進められます。

喘息の主な治療

喘息の治療の第一選択として利用されるのは吸入ステロイド薬で、日常的に気道の炎症を抑えて発作が起こらないようにします。指示どおりに使用すれば副作用が生じることも少ないです。

ステロイド薬は重症度に応じて量が調整され、場合によっては他の薬を併用して治療するケースもあります。発作が起こったときは、気管支を早急に拡張させる薬剤で治療し、症状の改善を図ります。

喘息の治療ステップ

喘息の治療は「喘息予防・管理ガイドライン2021」で発表されている治療ステップを使用します。発作がでていないときは、以下の治療ステップに沿って気管支を拡張させる薬剤や、炎症を抑える薬剤で治療します。

  治療内容
治療ステップ1 低用量の吸入ステロイド薬を使用する。副作用などで使用できない場合は、LTRAやテオフィリン徐放製剤を投与する。
治療ステップ2 低〜中用量の吸入ステロイド薬を使用する。十分な効果が得られない場合は、LTRA、LABA、LAMA、テオフィリン徐放製剤のうち1剤を併用する。
治療ステップ3 中〜高用量の吸入ステロイド薬を使用する。それに加え、LTRA、LABA、LAMA、テオフィリン徐放製剤、抗IL-4Rα抗体のうち1剤もしくは複数を併用する。
治療ステップ4 高用量の吸入ステロイド薬を使用する。それに加え、LABA、LAMA、LTRA、テオフィリン徐放製剤、抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5Rα抗体、抗IL-4Rα抗体、経口ステロイド薬のうち複数を併用する。

18歳以上の重症例で薬剤によるコントロールが不十分の場合は、気管支熱形成術をおこなうこともある。

LTRA:ロイコトリエン受容体拮抗薬、LABA:長時間作用性β2刺激薬、LAMA:長時間作用性抗コリン薬

症状が改善して3ヶ月間安定した頃が治療ステップを段階的に下げるタイミングです。症状が安定せず、長期的に悪化する場合は、治療ステップを段階的に上げて様子を見ます。

全ての治療ステップにおいて、ダニによるアレルギー性鼻炎がある場合は抗アレルギー薬を追加したり、発作がでた場合はSABA(短時間作用性吸入 β2 刺激薬)を投与したりします。

出典:喘息予防・管理ガイドライン2021

喘息の予防方法

喘息の予防方法

喘息の予防は、発作が起こる原因をできるだけ減らすために環境を調整することが大切です。医師の指示のもと、喘息日記を使用したりピークフローを測定したりすることも、発作がでるタイミングを事前に予測する手段になります。

環境の調整

喘息を予防するためには、生活環境を調整して原因物質を避けることが重要です。室内にアレルゲンや刺激物質を持ち込まないようにするために、以下の対策をおこないましょう。

特に大人の場合は原因となるアレルゲンや刺激物質が多く、生活環境から完全に回避することは難しいです。しかし、環境を改善することによって治療に必要な薬剤を減らせる可能性が高まります。

喘息日記の使用

喘息日記は患者が日々の症状や薬剤の使用状況などを記録し、自己管理や医師との情報共有に役立てるツールです。喘息の症状や治療で用いた薬剤の他に、喘息以外の症状や天候、喘息コントロールテスト(※)やピークフロー値の結果、担当医師へ聞きたいことなども記載します。

これらの情報を毎日記載することで、喘息の発作が現れる傾向が、季節や時間、伴う症状、天候、治療内容などから客観的に把握できます。また、担当医師が診察時に喘息日記を確認することで、今後の治療方針の参考にもなるのです。

(※)喘息コントロールテスト:質問紙に回答することで、喘息のコントロール状態を点数化する指標

ピークフローの測定

ピークフローは、はく息の最大瞬間風速のことで、測定によって喘息の気管支の狭さを見る目安になります。測定はピークフローメーターを用い、できるだけ速く息を吐いたときに針が止まった目盛りの数値を読みます。

数値が低くなるほど気管支が狭い状態を示し、喘息発作が起きやすいことがわかる仕組みです。ピークフローを朝、昼、夜の2〜3回測定して毎日記録すると、喘息が起きやすいタイミングがわかるようになります。

喘息の症状を和らげる方法

喘息の症状を和らげる方法

喘息の症状を和らげる方法として以下が挙げられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

温泉療法

温泉療法は、喘息の症状の緩和につながるひとつの方法として挙げられます。温泉療法には精神的にリラックスできるだけでなく、気道を清浄化させたり、アレルギー免疫反応を促したりする作用があります。

38〜42度の温泉に1日1〜2回、湯気を吸いながらつかると効果的だと言われていますが、温泉療法に当てはまるのは入浴だけではありません。温泉水を用いた薬剤の吸引や、温水プールでの水泳訓練、温泉水の飲泉なども、喘息症状を和らげる手段として挙げられています。また、喘息などの呼吸器疾患に対しては、山や海などの環境で温泉療法をおこなうと、気道がより清浄化される可能性があります。

温泉施設を選ぶときは、ラドンという成分を含むラジウム温泉がある施設にしましょう。ラドンとは、地上の下に存在するラジウム鉱石から発生する放射性のガスです。一定の濃度を吸い込むことで体の健康状態を良くするさまざまな作用をもたらします(ホルミシス効果)。

ラジウム温泉が気になる方はこちらの記事もぜひご参考ください。

>>ラジウム温泉の人気ランキング!オススメのラジウム温泉を紹介【2023年度】

ホルミシス療法

喘息の症状の緩和が期待できるホルミシス療法は、微量の放射線を浴びて健康増進を引き出す安全な治療法です。数々の研究でも一定量より下回る微量な放射線は、高線量の放射線と異なる生体反応が見られることがわかっています。

体が微量な放射線を浴びることで、細胞が刺激され、抗炎症作用や免疫機能の向上などが得られます。喘息に対しては気道の炎症を抑えたり、アレルゲンや刺激物質に対する免疫機能を高めたりして、症状を和らげることが期待できるのです。

喘息に対するホルミシス療法は、ラドンを取り入れた入浴や吸入などで日常的におこなえます。入浴剤や靴下、寝具、肌着などのホルミシス商品を、日常生活に取り入れてみるのも良いでしょう。

ホルミシス療法の効果やさまざまな方法は以下の記事にも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

>>ホルミシス療法は危険?効果と注意点について徹底解説

ラドン浴

喘息の症状を和らげる作用が期待できるラドン浴は、ラジウム温泉の施設以外でも可能です。自宅の浴槽にラジウム鉱石が練り込まれたラドンボールを導入すると、入浴時にラドンを吸い込めるため、ホルミシス効果が得られます。

ラドンボールを使用した人工のラドン浴は、温泉施設と異なり自分の適した温度に調整できることも利点です。人工のラドン浴の効果は業者によってさまざまなので、説明書をよく読み、納得できる製品を選びましょう。

>>ラドミスのラドンバスの詳細はこちら

ラドン吸入

ラドン吸入は専用の吸入器を使用し、ラドン含むミストを鼻や口から吸入する方法です。細かいミストが気道や肺までいき渡るため、効率的にホルミシス効果が得られます。

ラドン吸入は専用の吸入器をレンタルして自宅でおこなうことも可能で、使用方法も加湿ボトルに水を注入して鼻に取り付けるだけなので簡単です。毎日継続することで、喘息の症状を落ち着かせる作用が期待できます。

>>ラドミスのラドン吸入器の詳細はこちら

まとめ

喘息は気道が炎症することで引き起こされる慢性的な疾患

喘息は遺伝や体質、生活環境のアレルゲンなどによって、気道が炎症することで引き起こされる慢性的な疾患です。子供は適切な治療で思春期ごろまでに治る可能性がありますが、完治が難しい大人は、症状をコントロールするために治療を続ける必要があります。

喘息の主な治療はステロイド吸入などの薬物療法ですが、ラドンを使用したホルミシス療法も症状を和らげる手段のひとつです。ラドンバスやラドン吸入器があれば手軽にホルミシス療法がおこなえるため、喘息の症状で悩まれている方は一度取り入れてはいかがでしょうか。