膠原病は体のあらゆる部位に炎症が起こる自己免疫疾患で、発症の予防や根本的な治療が難しいとされています。もし膠原病が発症した場合、痛みや体調不良が日常生活に影響を与えるのではないかと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。症状の悪化を防ぐために日常生活で予防に取り組むことが非常に大切です。
この記事では、膠原病の基礎知識や症状、現在おこなわれている治療法について詳しく解説します。ご自身や身近な方が膠原病で悩まれている場合、この記事を参考にして膠原病の症状の緩和や合併症の予防に役立てて下さい。
膠原病は、自己免疫の異常により引き起こされる複数の疾患の総称です。体内の結合組織が主に影響を受け、全身のさまざまな臓器に炎症や障害を引き起こし、日常生活に支障をきたします。現在の医療では根本的に治療する方法がないため、一度発症すると症状の悪化や合併症を予防しながら長期的に付き合っていく必要があります。
自己免疫疾患については以下の記事でも解説していますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
膠原病のはっきりとした原因は現在のところ解明されていません。しかし、何らかの原因で体の免疫細胞が異常をきたし、自分自身の正常な組織を攻撃し、発症することがわかっています。この過程で、サイトカインという炎症に関わる物質が活性化し、体内で炎症が起こります。
膠原病は遺伝的要因や環境要因(ウイルス感染やストレスなど)が合わさることで発症すると考えられています。これらの要因からどのようにして自己免疫の異常が起こるのか、具体的なメカニズムはわかっていません。
膠原病にはさまざまな病気が含まれますが、全てにある程度共通する症状が見られます。主に初期症状には以下があります。
これらの症状は個人によって現れ方や程度が異なります。単独の症状だけでなく複数の症状が組み合わさって現れるケースも多いです。
膠原病の初期症状は風邪や日頃の疲れなどに似ていることから、見逃しやすい傾向があります。しかし、これらの症状が長期間続く場合や、複数の症状が同時に現れる場合は、膠原病の可能性を考慮し、専門家に相談することが大切です。
膠原病には以下の疾患が当てはまります。
悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、シェーグレン症候群、混合性結合組織病、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)、成人スティル病、好酸球性筋膜炎、結節性動脈周囲炎(結節性多発動脈炎・顕微鏡的多発血管炎)、大動脈炎症候群(高安動脈炎)、ウェゲナー肉芽腫症、側頭動脈炎 |
膠原病にはさまざまな種類がありますが、そのなかでも代表的な5つの疾患についてご紹介します。これらの疾患にはそれぞれ特徴的な症状がありますが、自己免疫の異常によって発症していることが共通しています。
悪性関節リウマチは手足のさまざまな関節に対称性の炎症を引き起こす病気です。他の関節リウマチと異なり、内臓の病変や血管炎などの関節以外の症状も伴います。患者数は全ての関節リウマチの0.6%程度で、1:2の男女比で60代の女性に多く発症します。
【症状の例】
悪性関節リウマチが進行すると、関節の変形や機能障害を引き起こす可能性があります。悪性関節リウマチは抗リウマチ薬などの専用の薬剤を早期に使用することにより、症状の進行を抑える効果が期待できます。
関節リウマチは以下の記事にも詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
全身性エリテマトーデスは全身の皮膚や臓器に炎症症状が起こる疾患です。1:9の比率で女性の発症率が高く、15〜65歳まで幅広い年代で発症する可能性があります。
【症状の例】
血液検査では貧血や血小板減少などの異常も見られることがあります。
全身性強皮症は皮膚が硬化していく病気です。全体の9割がレイノー現象の出現から発症します。男女比は1:12で、30〜50代に多いです。
全身性強皮症には、皮膚の広範囲に発症し、速く進行する「びまん皮膚硬化型全身性強皮症」と、肘や膝から先に発症し、緩やかに進行する「限局皮膚硬化型全身性強皮症」があります。
【症状の例】
全身性強皮症は症状が進行すると、さまざまな臓器の機能が低下するため、適切な管理が重要です。
多発性筋炎は主に体幹や四肢の近位筋(肩や骨盤に近い筋肉)に炎症が起こり、筋力低下や筋肉痛を引き起こす病気です。男女比は1:3で、5〜14歳と60代ごろに発症率のピークを示します。
【症状の例】
皮膚症状を伴う場合は皮膚筋炎と呼ばれ、特徴的な発疹が現れます。
シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺などの外分泌腺に炎症が起こる病気です。男女比が1:17と女性の比率が圧倒的に高く、特に50代に発症しやすいです。
【症状の例】
シェーグレン症候群は単独で発症することもありますが、悪性関節リウマチなどの膠原病の合併症として現れることもあります(二次性シェーグレン症候群)。
膠原病の発症を予防するのは現在のところ困難です。膠原病が発症する明確な原因は未だ解明されておらず、予防の手段もわかっていません。
しかし、膠原病が発症した後の管理と合併症の予防は重要です。膠原病の患者は以下のような合併症にかかりやすくなります。
膠原病が発症したら生活習慣の管理や適切な治療の継続によって、症状の悪化や上述した合併症を予防することが大切です。
膠原病は20〜50代の女性が発症しやすい傾向にあります。これには女性ホルモンが免疫機能に影響を与えている可能性が考えられています。
なかでも全身性強皮症は男女比が1:12、シェーグレン症候群は1:17と、極めて女性優位の疾患です。膠原病は遺伝による家族歴が関与して発症しやすくなることもありますが、環境の相互作用も影響していると考えられています。
また、膠原病は紫外線の暴露や過度なストレス、寒冷刺激、妊娠・出産、感染症、手術、や薬剤、喫煙などによって症状が悪化する傾向にあります。
膠原病の根本的な治療は現在のところ確立されておらず、主にステロイド剤による対処療法がおこなわれます。ステロイド剤は強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を持ち、症状の改善や悪化の予防に効果的です。
ステロイド剤の使用方法は、患者の症状や検査結果に応じて個別に調整されます。通常、十分な量からはじめ、徐々に減量していきます。投与方法には内服や点滴、静脈注射、筋肉注射などがあり、症状や治療目的に応じて選択されます。
しかし、ステロイド剤には副作用のリスクがあります。主な副作用として、感染症の合併や消化器症状、糖尿病、骨粗鬆症などがあります。これらの副作用をできるだけ抑えるため、定期的な検査や経過観察が重要です。
ステロイド剤の副作用が強い場合やより効果的な治療が必要な場合には、免疫抑制剤を併用することがあります。免疫抑制剤を使用することでステロイド剤の使用量を減らし、副作用のリスクを軽減できます。
また、悪性関節リウマチの場合は、関節の炎症を抑えて破壊を防ぐ効果がある「抗リウマチ剤」などが一般的に使用されます。膠原病の治療は患者の症状や状態に応じて個別に判断されます。定期的な検査や経過観察によって、副作用の管理や治療効果の判定をおこなうことが重要です。
膠原病をわずらう方の日常生活では、免疫機能をできるだけ下げないようにし、症状の悪化や合併症を予防することが重要です。まず、規則正しい生活を心がけましょう。十分な睡眠を確保し、疲労を溜めないことが大切です。青魚やカルシウムを意識したバランスのとれた食事を心掛け、歯のケアも十分におこないましょう。
膠原病の症状の悪化を予防するには、紫外線対策も重要です。日焼け止めクリームや日傘、長袖の衣類を着用し、紫外線から肌を守りましょう。寒い時期には衣類や室温で調節し、温かい飲み物を飲みながら、できるだけ体を冷やさないようにしてください。
さらに、肉体的な疲労や精神的なストレスは症状を悪化させる可能性があるため、できるだけ避けるようにしましょう。たばこは必ず禁煙し、過度な飲酒も避けることが症状の悪化に対する予防方法として推奨されます。
膠原病の症状を和らげたり、悪化を予防したりする方法として、ホルミシスルームやラドン吸入が挙げられます。どちらも地下から発生する放射性物質の「ラドン」を使用した方法で、体の免疫機能を高める作用が期待できます。
ホルミシスルームは高気圧のカプセルの中で、高濃度のラドンと酸素を吸うことで、体の免疫機能や基礎代謝を高める方法です。ラドンは、地下に存在するラジウム鉱石から放出される放射性のガスです。微量のラドンを摂取することで、体にさまざまな効果が得られることがわかっており、温泉や飲料水などにも使用されています。
ホルミシスルームは、ラドン水を加湿器によりミスト状にして発生させることで、細かい粒子を体全体に行き渡らせる仕組みです。ラドミスのホルミシスルームでは、室内で約1万ベクトルのラドンと35〜40%濃度の酸素を吸引できます。この結果、体内の代謝や免疫機能が活性化され、膠原病の症状が緩和することが期待できるのです。
ラドン吸入は、専用の吸入器で鼻や口からラドンのミストを吸引する方法です。ラドンには抗酸化酸素を発生させる作用があり、人体に有害な悪性活性酸素を減らすことがわかっています。ラドン吸入を使用することによって、免疫機能や基礎代謝が上がり、膠原病の症状の緩和につながる可能性があります。
ラドミスのラドン吸入は3種類のサイズがあり、レンタルも可能です。ミネラルウォーターや精製水を注入することで簡単に使用でき、毎日継続することで、より高い作用が期待できます。
膠原病は自己免疫の異常により発症する疾患のことで、全身のさまざまな臓器に炎症や障害を引き起こします。現在の医療では根治する方法がなく、一度発症したら症状の悪化を予防しながら付き合っていく必要があります。
膠原病の発症を予防することは困難ですが、発症後の管理や合併症の予防は重要です。日常生活における予防方法として規則正しい生活や紫外線対策、ストレスの管理などが大切になります。
また、ラドンを使用したホルミシスルームやラドン吸入なども、症状を和らげたり悪化を予防したりする手段の一つです。ラドミスのホルミシスルームやラドン吸入はドイツ産の質の高いラドンを使用し、専用の機器を用いて全身にラドンがいき渡るように工夫しております。膠原病の症状に悩まれている方は一度試してみてはいかがでしょうか。