リウマチの主な症状は?治療の流れから費用まで解説

リウマチの主な症状は?治療の流れから費用まで解説

リウマチは関節の痛みが特徴的な疾患です。リウマチと気付かず放置すると関節が変形したり動かなくなってしまったりする可能性がありますので、早期発見が大切です。この記事では、リウマチの症状や検査方法、治療方法、治療薬などについて解説します。

リウマチとは?

リウマチとは?

リウマチは正式名称「関節リウマチ」と呼び、主に関節に炎症が起こる病気。免疫の機能に異常が生じ、本来は体内に侵入してきた敵へ攻撃するはずが、誤って自分を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。日本では82.5万人がリウマチであると推定されています。

リウマチの原因は解明されていない点が多いのですが、遺伝要因と環境要因が関わっていると考えられています。家族や親族にリウマチの人がいると、発症頻度が上がりますので注意しましょう。

リウマチになりやすい人の特徴

40〜60歳代が発症のピーク年齢で、男性より女性の方が多いです。男女比は1:3.21となっています。

リウマチと似た疾患

リウマチと似たような体の痛みやこわばりが見られる病気は他にもあり、症状だけでリウマチかどうか見分けるのは難しいです。血液検査やX線検査などの結果を見て医師が総合的に診断した上で判断することになります。そのため自分で勝手な判断せずに必ず、クリニックを受診するようにしましょう。

●変形性関節症
●線維筋痛症
●更年期による関節症状
●痛風・偽痛風
●細菌性やウイルス性の関節炎
●リウマチ性多発筋痛症
●ばね指

リウマチで痛くなる箇所は?

リウマチで痛くなる箇所は?

リウマチによる変形が見られる箇所

リウマチの症状が見られる主な部位は、以下の通りです。

●手指
●手首
●足指

主な症状は、関節の痛み、腫れ、朝のこわばりなどです。部位としては手足の指や手首など小さい関節が多いですが、肘、肩、膝、足首などにも見られます。症状は左右対称・複数の関節に出ることが多いですが、片側のみ・少数の関節にしか出ないことも少なくありません。手指の第一関節に出ることは稀で、その場合は変形性関節症などを疑うことになります。

関節以外に現れる諸症状

関節症状がよく知られるリウマチですが、関節以外にも症状が出ることがあります。全身症状は、例えば微熱、貧血、食欲不振、倦怠感、体重減少などです。

臓器別に見ると、以下のような症状が挙げられます。

間質性肺炎

間質と呼ばれる肺胞の壁に損傷や炎症が起こる症状です。坂道・階段・平地歩行中や入浴中など日常の動作の中で息苦しさを感じるようになります。

胸膜炎・心膜炎

胸水や心嚢水が溜まる症状です。痛みや発熱、息苦しさを感じます。

末梢神経障害

血管炎による末梢神経炎、脊髄や手足での圧迫による神経障害によって起こる症状です。手足の筋力の低下、しびれや痛み、感覚の消失などが現れます。

皮膚潰瘍・梗塞・紫斑・壊疽

血管炎により生じることがあります。

強膜炎、上強膜炎

眼を覆う膜に炎症が生じ、痛みや充血などが現れます。

リウマトイド結節

後頭部や肘など物理的な刺激を受けやすい部位にできる傾向です。痛みを伴わないしこりができます。

リウマチの初期症状

リウマチの初期症状

リウマチの主な初期症状は次の通りです。

●朝、手や体がこわばって動かしにくい(朝のこわばり)
●関節に痛みや熱が生じる、腫れる
●左右対称に関節が腫れる
●多くの関節が同時に腫れる
●37℃台の微熱
●倦怠感
●食欲不振

左右対称は関節リウマチの特徴的な症状ですが、「単関節型」という片方だけに痛みや腫れが出るケースもあります。左右そろって症状が出なくても、気になる痛みや症状がある場合は受診しましょう。

リウマチを疑ったときの受診の目安

朝起きて30分以内がリウマチの症状が出やすいタイミングです。以下のような症状があったら、一度病院を受診することをおすすめします。

●パジャマのボタンが外しにくい
●歯ブラシが持ちにくい
●テレビのリモコンが押しにくい
●お箸が上手く使えない

リウマチ疑いは何科を受診する?

リウマチの診断は難しいため、リウマチ専門医に診てもらうことが望ましいです。自分でリウマチ専門医を探すか、かかりつけ医に診てもらってから紹介状を書いてもらうといいでしょう。

初期リウマチを放置するとどうなるか

かつては10年以上かけて進行すると考えられていました。しかし、リウマチは発症から1年以内に、急速に関節破壊が進んでしまうことが明らかになってきています。

また、症状が軽く見えても、内部で病気が進行しているケースも少なくありません。

関節破壊が進むと骨や軟骨が破壊され、できない動作が増えていきます。自分一人では生活できなくなっていき、介助が必要な状態です。最終的には関節が強直・固定して動かなくなってしまいます。

放置して自然に治ることはほぼありません。長期の治療が必要です。鎮痛剤などで痛みを抑えて我慢しているうちに症状が悪化してしまいますので、早めに医療機関を受診しましょう。

リウマチは血液検査でわかる?

リウマチは血液検査でわかる?

リウマチの診断のために血液検査をすることはありますが、血液検査だけで断定することはできません。痛みや腫れのある関節数と部位、炎症反応の有無、症状持続期間と併せて血液検査の結果を解析し、総合的に見て判断します。尿検査やX線検査が行われることも多いです。

リウマチの血液検査では、以下のような項目について調べます。

CRP

リウマチの関節炎の程度を表すCRPの値を調べます。このCRPの数値によってリウマチの強さの診断や他の病気との区別が可能です。

炎症の範囲が小さいとCRPの値も正常になりやすく気付きにくいこと、リウマチ以外の病気でもCRPの値が陽性になることに注意が必要です。

抗CCP抗体

CCP、環状シトルリン化ペプチドという物質に対する抗体です。早期のリウマチでも血液中に見られるため、早期診断に応用されています。

リウマトイド因子

この値が高いとリウマチが疑われますが、全てのリウマチ患者さんが陽性になるとは限りません。健康な人でも陽性になるケースがあり、リウマチ診断の絶対的な指標というわけではない点に注意してください

リウマチの治療方法

リウマチの治療方法

リウマチの治療方法は、主に以下の3つです。

●薬物療法
●リハビリテーション
●手術

薬物療法

現在、治療の中心となっているのが薬物を用いた治療です。関節の腫れや痛みを抑えて関節破壊の進行を抑制します。

リハビリテーション

リハビリは関節の運動性を改善し、社会生活が送れるようにするため行います。筋力の向上、関節の動く範囲を広げるために効果的です。

末梢の血流の流れをよくして痛みを和らげ、筋肉のこわばりをとる「運動療法」、ホットパックや超音波機器で関節を温めて痛みやこわばりを和らげる「温熱療法」もリハビリテーションの方法のひとつです。

手術

薬物療法やリハビリテーションでも痛みが軽減できないときや、関節障害で歩けないなど日常生活に支障が出る場合、手術を行うことがあります。関節リウマチの手術方法として挙げられるのは、主に「人工関節置換術」「関節形成術」「関節固定術」などです。

リウマチ治療の流れ

リウマチ治療の流れ

治療の流れとしては、薬物治療を中心に進めていきます。効果や状態を見ながら薬物療法を見直し、薬を追加・変更するのが基本です。また、必要に応じてリハビリを組み合わせ、場合によっては手術がおこなわれます。

関節リウマチの治療では、以下の3種類の寛解を目指します。

●臨床的寛解
●機能的寛解
●構造的寛解

これら3つが達成されると、完全寛解となります。患者さんと主治医で治療の目標を定め、二人三脚で治療を続けていくことが大切です。Treat to Target、T2T(ティートゥーティー)と呼ばれます。

臨床的寛解とは

関節の痛みや腫れをとることであり、関節の症状や血液検査などから複合的評価指標を算出し、その数値を用いて算出される疾患活動性(病気の勢い・症状の強さ)がほぼない状態です。3つの中でまずこの状態を目指すことになります。

機能的寛解とは

生活機能(QOL/クオリティ・オブ・ライフ)を改善することです。通常の日常生活が行える状態を示しています。

構造的寛解とは

関節破壊がほぼ進行しない状態であり、X線撮影などの結果から判断します。臨床的寛解を維持することが重要です。

リウマチの治療薬

リウマチの治療薬

リウマチ治療に使用される薬剤には、主に次の種類があります。

●抗リウマチ薬
●ステロイド
●生物学的製剤(バイオ医薬品)
●JAK阻害薬

抗リウマチ薬

リウマチ治療の中心となる薬です。免疫の異常に作用して病期の進行を抑えます。効果が出るまでに1ヵ月から半年くらいかかりますので、ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬を併用することも少なくありません。効果が十分でない場合、2剤以上の抗リウマチ薬を併用したり、他の抗リウマチ薬に切り替えたりすることもあります。肝障害など重い副作用が起こることもあるため、定期的な受診と検査が大切です。

ステロイド

抗リウマチ薬の補助として使われます。ステロイドを長く使っていると感染症、糖尿病骨粗鬆症などを引き起こす恐れがあるため、連用する場合には十分な注意が必要です。

非ステロイド性抗炎症薬

抗リウマチ薬の補助として使われ、プロスタグランジンという物質ができるのを防ぎ、リウマチの痛みや炎症を軽くする作用があります。ただし、病気の進行自体を止める効果はありません。

生物学的製剤(バイオ医薬品)

関節リウマチの治療に使われる生物学的製剤には主に以下の3種類があります。

●炎症を引き起こすサイトカインであるIL-6やTNFαの働きを妨げ、関節破壊が進行するのを抑える薬
●TNFaの働きを妨げる薬
●Tリンパ球の働きを抑える薬

従来の抗リウマチ薬に比べ強力な骨破壊抑制作用があり、抗炎症作用が早く現れるため多くの患者さんに使われています。

生物学的製剤は点滴または皮下注射で投与します。皮下注射の場合は患者さん本人が自分で注射することもできるので、通院の手間が省けるでしょう。

投与の間隔や副作用は薬の種類によって違いますし、血液検査や画像検査などで投与が適切でないと判断される場合もあります。アレルギー反応や肺炎・結核などが疑われる場合は投与することができません。

JAK阻害薬

生物学的製剤と同じ、あるいはそれ以上の効果があるといわれている免疫の働きを抑える薬です。炎症を引き起こすサイトカインの働きを抑え、関節の炎症を抑える飲み薬です。

抗リウマチ薬に対して効果が不十分な場合に使用します。免疫の働きが低下するため、肺炎や結核などの感染症には注意が必要です。

JAK阻害薬は内服薬で、毎日飲む必要があります。

リウマチ治療の費用

リウマチ治療の費用

関節リウマチの治療費は年間平均264,000円(病院への支払い132,000円、薬局への支払い84,000円、代替医療費146,000円)です。
※東京女子医科大学病院 膠原病リウマチ痛風センターにおけるデータ

関節リウマチの治療費の中では特に生物学的製剤やJAK阻害薬が高価です。生物学的製剤だと1ヶ月30,000〜40,000円、JAK阻害薬だと42,000〜45,000円程度かかります(3割負担)。

初診での費用は3割負担で2,000〜10,000円程度です。

手術で人工関節置換術を受けた場合、3割負担で約60〜80万円になります。

1ヶ月あたりの医療費が高額になった場合、高額療養費制度が適用されます。収入によって支払う額の上限が決められており、負担が軽減される仕組みです。市区町村の役所で申請が必要になりますので、医療費が高額になりそうなときは利用しましょう。

悪性関節リウマチで指定難病に認定された場合は、都道府県から医療費の助成が受けられます。

リウマチ患者も利用するラジウム温泉

リウマチ患者も利用するラジウム温泉

ラジウム(ラドン)温泉はリウマチにも効能があるといわれている放射能泉。湯に溶けた、あるいは湯からの蒸気に含まれるラドンのホルミシス効果による効能です。

ホルミシスは「刺激する」という意味です。ホルミシス効果とは、ある物質が大量・高濃度だと人体に悪影響であるところ、少量・微量だと良い効果をもたらす現象のことを指します。

ラジウム(ラドン)は放射性物質ですが、ラジウム温泉に含まれるラドンはごく少量で健康被害を与えることはありません。むしろ、体にいい作用が期待できます。

具体的には、ラジウムのホルミシス効果で全身の細胞が刺激され、免疫が活性化すると考えられています。

都内で気軽に利用できるホルミシスルーム

都内で気軽に利用できるホルミシスルーム

ホルミシスルームは個室内にラドンガスを発生させ、そのガスを吸うことで健康増進効果を得るための部屋です。高濃度に設定されている部屋もあり、短時間で大きな効果を得られると考えられています。服を着たまま入ることも可能です。

ホルミシスルームには1人〜数人用のブースのほか、カプセルタイプのものがあります。1回の利用時間は30〜60分に設定されていることが多く、利用料金は2,000〜3,000円程度です。

都内でも気軽に、カプセルタイプのホルミシスルームを利用できる施設があります。

ラドン温泉ホルミシスルーム : https://radomis.jp/html/page3.html

まとめ

関節リウマチは発症から1年程度で大きく進行してしまう病気ですので、早い段階で専門医を受診することが非常に大切です。医師と治療の目標を定め、長期的に治療に取り組む必要があります。治療方法には薬とリハビリ、手術がありますので、医師と相談の上で進めていきましょう。

ラジウム温泉やホルミシスルームもリウマチ治療に効果があるといわれています。症状と状態に合わせ、特徴を理解して利用してみてください。

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