私たち日本人にとって温泉に入る行為は健康増進に良いとされていますが、一口に温泉といってもさまざまな種類があり、入る温泉によって効能は異なります。その中でも特に人気なのがラジウム温泉です。ラジウム温泉は低放射線によるホルミシス効果が得られるため、健康増進目的で利用したいと考えている方が多い温泉の一種です。
今回は関東エリアでラジウム温泉を探している方のために、関東のおすすめのラジウム温泉をご紹介します。東京からのアクセス方法についてもお伝えしますので、関東で通いやすいラジウム温泉の情報を探している方は参考にしてみてください。
ラジウム温泉とは
ラジウム温泉とは、放射性ガスであるラドンを一定量含む温泉です。「放射能泉」とも呼ばれており、温泉に浸かって微量の放射線を浴び、また蒸気に含まれる放射線を吸い込むことで健康効果が期待できると考えられています。
ラジウム温泉が健康にいいと言われる理由
放射線ガスが含まれていると聞くと、「ラジウム温泉は危険なのでは？」と感じる方もいるかもしれません。大量の放射線を浴びることは良くありませんが、ラジウム温泉に含まれているラドンの量はごくわずかです。
しかも、ラドン自体は土や石、空気中などにも含まれているもので、私たちは日々の生活の中で知らずにラドンを吸っています。微量のラドンを浴びる・吸うことによる健康被害は報告されておらず、「ラドン＝有害」とはいえません。
ラジウム温泉によるホルミシス効果とは
微量の放射線を浴びることは健康を害するどころか、逆に健康にいい効果があることはわかっています。このことはホルミシス効果と呼ばれています。ホルミシス効果とは、「大量に使用すると有害となるものが、少量では人体に良い刺激を与えて、プラスに働く」という効果のことです。
ラジウム温泉に入って微量のラドンを浴び、また吸い込むと、免疫力や新陳代謝を高めたり、自然治癒力を高めるなど健康を促進する効果が期待できます。そのため、ラジウム温泉は健康にいいと言われているのです。
ラジウム温泉の効果的な入り方
ラジウム温泉の入り方には特に決まりはありませんが、もしも訪問したラジウム温泉に入り方の案内があれば、その方法に従ってみると良いでしょう。
ただし、最初は無理をせず10〜15分くらい浸かるようにして、休憩をはさみながら楽しむのがおすすめです。休憩をはさみながら、1〜2時間の間に2〜3回を目安としてラジウム温泉に浸かると良いでしょう。慣れてきたら、20〜30分浸かることもできます。
また、体を洗ったら、最初に上がり湯に浸かって体を温め、その後、ラジウム温泉に入るとより効果を高めることができるでしょう。
ラジウム温泉Q＆A
ラジウム温泉に挑戦したいものの、いくつか疑問があって入浴を迷っている方もいるかもしれません。ラジウム温泉について、よくある質問にQ&A形式でお答えしていきますので、参考にしてみてください。
妊娠中に入ることはできる？
一昔前は、妊娠中の温泉は控えたほうがいいと言われていたこともありました。しかし、現在においては妊娠中の温泉はNGとする医学的な根拠はないことが分かっています。そのため、体調が良ければ、妊婦さんでも温泉を楽しむことには問題ありません。
とはいえ、ラジウム温泉は放射線物質が含まれているため、妊娠中は良くないのではと不安な方もいるのではないでしょうか。ただ、実際のところ、ラジウム温泉に含まれている放射能はごくわずかです。
妊婦さんやお腹の中の赤ちゃんに有害な影響を与えるほどの量ではないので、心配する必要はありません。また、ラジウム温泉に含まれるラドンには基本的ににおいもないため、においに敏感な妊婦さんでも安心して入っていただけます。
ラジウム温泉の好転反応とは？
ラジウム温泉に入ると、人によっては好転反応が出ることがあるようです。好転反応とは、一時的に症状が悪くなる現象で、症状が改善する過程において現れるものです。
現れる症状には個人差があり、抱えている疾患によっても異なりますが、代表的なものには頭痛や食欲不振、下痢、疲労感、眠気などがあります。
こうした症状が生じると、自分にはラジウム温泉が合わないのかもと感じてしまうかもしれません。しかし、好転反応による体調不良の場合は、継続して通うことで症状が改善されるため、途中でやめずに通い続けるのがおすすめです。
ラジウム温泉による好転反応、副作用については、こちらの記事をご覧ください。
＞＞ラジウム温泉に副作用はある？効能から注意点まで分かりやすく解説
ラジウム温泉で癌は消える？
ラジウム温泉について調べると、「癌にいい」「癌が消える」といった情報を目にすることがあります。ラジウム温泉については、ホルミシス効果による健康増進効果が期待できるものの、癌が消えるとは明記されていません。
したがって、病院に行かずにラジウム温泉だけで癌を治そうとするのは避けましょう。しかし、ラドンには免疫力を高めたり、活性酸素を除去したりする効果があるといわれているので、治療のサポートとしてラジウム温泉を利用することはできます。
ただし、温泉にはリラックス効果もありますが、温泉に浸かると体力が奪われるため、癌患者の方は体調が良いときに利用するようおすすめします。また、かかりつけ医に相談しながら利用すると良いでしょう。
関東でおすすめのラジウム温泉
ここからは関東でおすすめのラジウム温泉をご紹介します。車や電車を使った東京からのアクセス方法についてもご紹介しますので、東京への旅行のついでに立ち寄りたい方も参考にしてみてください。
関東でおすすめのラジウム温泉：栃木県
美玉の湯
出典画像：美玉の湯
地下1200mから湧出している天然ラドン含有の温水を利用している美玉の湯。地元では美肌や健康促進にいいと評判で「美肌の湯」や「健康の湯」などと呼ばれています。
泉質はラドンが含まれているアルカリ性単純泉で、皮膚から吸収されたラドンが血液や体液をイオン化させることで老廃物の排出を促進し、血液の浄化も促すとされています。
美玉の湯では温泉の効果を最大限に得るために、温泉に浸かり、温泉水を飲み、温泉の蒸気を吸うという3つの方法が推奨されています。体の外側からだけでなく、体の内側からもラドンを吸収することで、温泉の効果をより得やすくなるのです。
また、美玉の湯は、全国でも珍しい加温も加水もしていない本当の源泉かけ流し温泉でもあるのも魅力のひとつといえるでしょう。
所在地：栃木県那須郡那珂川町小砂3102
＜東京からのアクセス方法＞
●車
東北自動車道 宇都宮ICより国道293線経由で約55分
常磐自動車道 那珂ICより国道118線もしくは国道293線で約60分
●電車
JR宇都宮線 氏家駅からタクシーで約35分
JR東北新幹線 那須塩原駅からタクシーで約30分
ホテル三吉野別館
出典画像：ホテル三吉別館
露天風呂で贅沢な時間を満喫できる閑静な宿がホテル三吉野別館。館内にある「露天風呂」「大風呂」「岩風呂」2種類の「壺湯」と合計5箇所のお風呂はすべてラジウム人工温泉になっており、好みのものを楽しめます。
特に露天風呂は、自然の香りが心地良い緑に囲まれた空間でくつろげるので、心身ともにリフレッシュできるでしょう。
所在地：栃木県佐野市富岡町324
＜東京からのアクセス方法＞
●車
東北自動車道 佐野藤岡I.Cより約10分／佐野SAスマートICより約5分
●電車
JR両毛線・東武佐野線 佐野駅より車で約3分、徒歩で約15分
関東でおすすめのラジウム温泉：茨城県
旅館 山形屋
出典画像：旅館 山形屋
太平洋を望むことができる開放感のある旅館 山形屋は、弱アルカリ・ミネラル質のラジウム準温泉で心と体の疲れを癒すことができます。
山形屋にはラジウム放射能・遠赤外線・マイナスイオンを発生させることができる「湯の花ドーム」というマシーンも導入されています。このマシーンを利用することで、日本三大ラジウム温泉のひとつである秋田県・玉川温泉と同じ入浴法を体験することができるのが特徴です。
所在地：茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦117
＜東京からのアクセス方法＞
●車
北関東自動車道 常陸那珂有料道路経由ひたちなか海浜公園ICより約5分
●電車
ひたちなか海浜鉄道湊線 阿字ヶ浦駅より徒歩で約５分
やさと温泉ゆりの郷
出典画像：やさと温泉ゆりの郷
茨城県の名峰・筑波山の麓にあるやさと温泉ゆりの郷。館内の南側には自然との一体感に溢れている「万葉の湯」、北側には岩肌に囲まれた「真秀（まほら）の湯」と2種類の風呂があり日替わりで楽しめます。
ゆりの郷の源泉は地下1300mから汲み上げられた単純弱放射能温泉で、各浴場には源泉湯の浴槽もあります。適応症としては関節リウマチ・変形性関節・腰痛・神経痛などです。
所在地：茨城県石岡市小幡1416
＜東京からのアクセス方法＞
●車
常磐自動車道 土浦北ICより新治、つくば方面出口フラワーパーク経由で約30分
●電車
JR常磐線 石岡駅よりバス、タクシー利用で約30分
関東でおすすめのラジウム温泉：群馬県
旅籠屋丸一
出典画像：旅籠屋丸一
谷川連峰三国連山に囲まれた三国街道を往来する人々の疲れを癒すための宿場町として栄えた猿ヶ京の温泉街にある旅籠屋丸一。書画や焼き物が飾られた館内は美術館のような趣があり、宿泊先としても魅力があります。
旅籠屋丸一では、明治建築の蔵を利用して作られた「蔵の湯 林」に加え、赤の湯・黒の湯という異なる泉質のお湯を楽しめるのが特長です。
黒の湯がラジウム温泉で、体毒排泄作用・がん予防効果・美肌効果・便秘解消といった効能があります。残り2つは猿ヶ京温泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、うちみ、運動麻痺などに効くとされており、ラジウム温泉とは異なる効能が期待できます。
所在地：群馬県利根郡みなかみ町猿ケ京温泉199
＜東京からのアクセス方法＞
●車
関越自動車道 月夜野I.Cより国道17線経由で約20分
●電車
上越新幹線 上毛高原駅より関越交通バス利用で約35分
関東でおすすめのラジウム温泉：神奈川県
フォレストリゾート 湯河原温泉 ホテル城山／湯河原ラドンセンター
出典画像：フォレストリゾート 湯河原温泉 ホテル城山
湯河原の天然温泉と伊豆箱根地区で唯一のラドン温泉を楽しむことができるフォレストリゾート湯河原温泉 ホテル城山。東京からのアクセスも良い湯河原温泉郷の中でラドン温泉を体験できます。湯河原駅すぐの好立地にあるので、観光の拠点としても最適です。
所在地：神奈川県足柄下郡湯河原町城堀207
＜東京からのアクセス方法＞
●車
東名高速道 小田原厚木道路西湘バイパス経由石橋ICより約30分
●電車
JR東海道本線 湯河原駅より徒歩で約5分
箱根湯本 ホテル明日香
出典画像：箱根湯本 ホテル明日香
天然ラジウム効果を得ることができる「北投石」が入っている大浴場が自慢のアットホームな宿「箱根湯本 ホテル明日香」。大浴場で天然ラジウムを吸引し入浴すると、病後の回復、胃潰瘍・胃腸等・消化器系疾患、神経痛・リウマチ等神経系疾患などへの効果が期待できます。
さらにホルミシス温泉母岩を使用した岩盤浴ができる場所も併設されており、温泉と併用して利用することが可能です。遠赤外線が常に放出されている特殊なプレートに横になると、身体を芯から温めることができ、たっぷりの汗が出るため、より高いデトックス効果が得られます。
所在地：神奈川県足柄下郡箱根町湯本341-1
＜東京からのアクセス方法＞
●車
東名高速道 小田原厚木道路経由箱根口ICより約10分
●電車
箱根登山鉄道 箱根湯本駅より徒歩で約10分
関東でおすすめのラジウム温泉：山梨県
渓流の宿 金泉閣
出典画像：渓流の宿 金泉閣
信玄公の隠し湯として由緒ある増富温泉を堪能できる本谷川渓谷沿いにある宿 金泉閣。地下80mから湧出しているラジウム温泉をそのまま浴槽に送っている源泉かけ流しの宿です。
入浴と同時にガスを吸引することで相乗効果が期待できるのがラジウム温泉ですが、金泉閣ではかけ流しにすることでガスもたっぷりと浴槽に送り込むことができています。
金泉閣には「延寿の湯」と「福寿の湯」があり、効能は神経痛・神経炎・リウマチ・痛風・創傷・慢性皮膚炎・神経麻痺・喘息などです。まずは上がり湯で毛穴を開いた後にラジウム温泉に浸かるのがおすすめの入り方です。
所在地：山梨県北杜市須玉町小尾6676
＜東京からのアクセス方法＞
●車
中央道 須玉ICより増富ラジウムライン経由で約30分
中央高速バス 甲府から韮崎経由バスで約60分
●電車
JR中央線 韮崎駅からバスで約60分
天然岩風呂の宿 不老閣
出典画像：不老閣
日本を代表するラジウム温泉のひとつ増富温泉を味わうことができる天然岩風呂の宿 不老閣。岩盤から湧き出るラジウム源泉と大岩から放出される自然なラジウムを同時に享受できます。
不老閣には5つの源泉があり、天然の岩風呂や天然ラジウム泉を使用した蒸気浴ができる蒸気吸入室などがあります。厚生労働大臣が認定した温泉利用指導者がおり、入浴指導を受けることができるのが特徴です。
源泉100％のラジウム泉を貸し切りで利用することもできる「ラジウム水晶風呂」は、はじめてラジウム泉に入浴する方や付き添いが必要な方に特におすすめです。
所在地：山梨県北杜市須玉町小尾6672
＜東京からのアクセス方法＞
●車
中央道 須玉ICより約30分
中央高速バス 甲府から韮崎経由バスで約50分
●電車
JR東日本 韮崎駅からバスで約50分
まとめ
関東エリアでおすすめのラジウム温泉についてご紹介しました。「ここなら行ってみたい」「ここだったら自宅から通いやすい」という温泉が見つかりましたか？
健康増進効果が期待できるラジウム温泉ですが、1回入った程度では限定的な効果しか得られません。有名なラジウム温泉にこだわってしまうと、自宅からのアクセス次第ではなかなか訪問することは難しいでしょう。それよりは、自宅などからのアクセス便利なラジウム温泉を見つけて、定期的に通うのがおすすめです。
