ラジウム温泉に副作用はある?効能から注意点まで分かりやすく解説

ラジウム温泉に副作用はある?効能から注意点まで分かりやすく解説

ラジウム温泉は健康にいいといわれ、さまざまな病気を患っている方にも人気があります。一方で、放射性物質であるラドンが温泉水に含まれていることで、「副作用があるのでは?」と利用をためらっている方もいるようです。

そこで今回は、ラジウム温泉に副作用はあるのか、また期待できる効能にはどんなものがあるのか解説します。ラジウム温泉に入る際の注意点やラジウム温泉を飲用に使うことはできるのかといった点もお伝えしますので、ラジウム温泉への理解を深める参考にしてください。

ラジウム温泉とは?選ばれる理由

ラジウム温泉とは?選ばれる理由

ラジウム温泉とはよく耳にするものの、どんな温泉なのかよく知らず副作用を気にされる方もいることでしょう。まずはラジウム温泉とはどんなものなのか、ラジウム温泉に期待されている効能にはどんなものがあるのかご紹介します。

ラジウム温泉の定義

ラジウム温泉とは、放射能泉とも呼ばれており、温泉水に「ラドン」という成分が一定量含まれたものを呼びます。また、無力透明で無臭であるのもラジウム温泉の特徴です。

ラドンとはラジウム鉱石が放射性壊変をしたときに生じる放射性物質です。放射性物質と聞くと危険なイメージがありますが、ラドンそのものは温泉に限らず、空気中を漂っているガスであるため、知らないうちに誰もが吸っているものです。

ラジウム温泉に溶け込んでいるラドンの量は微量であるため、特に健康面での害はなく、逆に、ラジウム温泉に浸かり蒸気で漂うラドンを吸うことで、健康促進効果が期待できるといわれています。

ラジウム温泉の効能

ラジウム温泉の効能

ラジウム温泉には放射性物質であるラドンの作用によって、新陳代謝の促進や抗酸化作用、自然治癒力を高める効果などが期待できるとされています。大量に浴びると人体に有害となる放射性物質ですが、微量であれば害になることはなく、逆に人体に良い働きをすることが分かっています。この現象を「ホルミシス効果」と呼びます。

ラジウム温泉の主な効能は以下のとおりです。

●筋肉や関節の慢性的な痛み、またはこわばり(変形性関節症、神経痛、腰痛症、五十肩、肩こり、打撲、捻挫など)
●運動麻痺における筋肉のこわばり
●関節リウマチ
●抹消循環障害
●冷え性
●糖尿病
●軽症高血圧
●軽度のコレステロール血症
●胃腸機能の低下(胃もたれなど)
●痔
●自律神経不安定症
●疲労回復
●健康増進
●ストレスやストレスに起因する諸症状(睡眠障害、うつなど)
●アトピー性皮膚炎
●美肌効果

選ぶラジウム温泉によっても得られる効能は異なりますが、ラジウム温泉に浸かり、蒸気として漂うラドンを吸うことでこれらの効果が期待できます。

癌に効くって本当?

ラジウム温泉は癌に効くという話を、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。ラジウム温泉そのものの効能として「癌に効く」とは明記されていません。しかし、ラジウム温泉については「癌に効く温泉」として特定の温泉地をメディアが報道することもあるため、ラジウム温泉を訪れる癌患者の方は多いようです。

また、SNSやブログなどで実際に癌が治ったと発信する方もいるため、それもラジウム温泉が癌に良いといわれている理由でしょう。ただし、残念ながらラジウム温泉で癌が治るという医学的なエビデンスは今のところありません。ラジウム温泉に浸かるだけで、病院での適切な治療を受けずに癌を治そうとするのは危険ですので注意しましょう。

とはいえ、ラジウム温泉に浸かるのは全く無駄というわけでもありません。なぜなら、ラジウム温泉には新陳代謝を促進したり、免疫力や自然治癒力を高めたりする効果が期待できるからです。そのため、病院での癌治療を受けつつ、治療のサポートとしてラジウム温泉を利用するのはおすすめです。

ラジウム温泉の癌への効果については、こちらの記事もご覧ください。

>>癌の療養にラジウム温泉がオススメ?選ばれる理由を解説

腎臓病に効くって本当?

腎臓病の方はNGとされる温泉が多いですが、ラジウム温泉については「腎臓病にいい」といわれることがあります。実際には、ラジウム温泉が腎臓病に効くという医学的な根拠はありませんし、ラジウム温泉の効能にも腎臓病は挙げられていません。そのため、ラジウム温泉で腎臓病が治ることは期待できないといえます。

しかし、ラジウム温泉は炎症にも良いとされているため、腎臓に炎症が起きている場合は炎症を抑えるなどの面において一定の効果が期待できるでしょう。また、腎臓病の治療をしながら、リラックスするために時々ラジウム温泉を利用するというのもおすすめです。

一般的な温泉については、腎臓病はNGとされることが少なくありません。その理由は、環境省による「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」の中にある温泉の「禁忌症」にあります。

その中では、以下のような場合は温泉への入浴は控えるようにとなっています。

●熱があるなど病気の活動期のとき
●進行した悪性腫瘍、活動性の結核、高度の貧血など身体の衰弱が著しいとき
●重い心臓、肺の病気、重い腎臓の病気がある方
●消化管出血、もしくは目に見える出血があるとき
●慢性気管支炎で発熱、呼吸が苦しいといった症状があるとき、狭心症で胸痛頻度が増えたとき

出典:「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」p.4

重い腎臓病については、水圧による負担が大きいと考えられるため、すべての温泉において入浴はNGとされています。これにはラジウム温泉も含まれるため、重い腎臓病の方で医師に温泉は入らないように指導されている場合は、入らないようにしましょう。とはいえ、体調が安定しており、主治医から温泉については入っても良いとされている場合は、特に問題ないといえます。

また、一般的な腎臓病については「塩化物泉」を飲むことはNGとされているものの、温泉に入ること自体は特に禁忌とされていません。そのため、あまり神経質にならず、特に症状が悪くない場合は、ラジウム温泉を利用することができます。

ラジウム温泉には副作用がある?

ラジウム温泉には副作用がある?

健康促進効果が期待できるラジウム温泉ですが、副作用があるのか気になるところですよね。ラジウム温泉によって得られる効果は、温泉に含まれる微量のラドンによるものですが、ラドン自体は私たちの身の回りに普段から存在するものです。ラジウム温泉にしか存在しないものではないので、特に副作用の心配はいりません。

また、温泉の蒸気に含まれるラドンを吸ったからといって、それが体内に蓄積されることもありません。ですので、ラジウム温泉には特に副作用はないので安心してご利用ください。とはいえ、ラジウム温泉だけでなく温泉全般にいえることですが、体調が悪いときは体調悪化につながることがあるため入浴は控えましょう。

副作用と間違えられやすいラジウム温泉の好転反応とは?

副作用と間違えられやすいラジウム温泉の好転反応とは?

ラジウム温泉に入ったら、「頭痛がし出した」「食欲がなくなった」など副作用と思われるような症状が出ることがあります。健康促進効果を目的に温泉に入ったのに、逆に体調不良になると、「ラジウム温泉が体質的に合わないのかな?」と心配になりますよね。

温泉に入ったときに副作用のような症状が起きる場合、好転反応が起きている可能性があります。好転反応とは、症状が改善する経過において一時的に症状が悪化する状態のことです。

好転反応は、温泉に入ることによって血液やリンパの流れが良くなり、それによって細胞が活性化し、体内の毒素が排出されることで体質に変化が起き生じると考えられています。好転反応の主な症状には、頭痛、疲労感、軽い眠気、食欲不振、下痢などがありますが、抱えている疾患によっても異なります。

例えば、アトピー性皮膚炎の場合、ラジウム温泉に通うことで一時的に赤みやかゆみなどの症状が悪化したように思えることがあります。温泉による副作用や体質的にラジウム温泉が合わないのであれば、継続して通うと症状がどんどん悪化する可能性があります。ですが、一時的に症状が悪化したように思えても、通っているうちに症状が改善されるようであれば、それは副作用ではなく、ラジウム温泉による好転反応だったと判断ができます。

好転反応が出たときの対処法

好転反応が出て一時的に体調が悪くなった場合、まずは無理せず体を休ませましょう。また、水分をしっかりと摂って、体内にある毒素の排出を促すことも大切です。

好転反応の場合は一時的なものなので、しばらくすると自然と治まります。体調が回復するまでの間は栄養バランスの良い食事を意識し、野菜や果物などもしっかりと食べると良いでしょう。

好転反応が出たときに「ラジウム温泉が合わない」「副作用なのでは?」などと思い込んでしまい、そこで湯治をやめてしまうと、ラジウム温泉による効果を十分に得ることはできません。好転反応は体調が整うまでの一時的なものである可能性も高いので、できれば一定期間入浴を続けてみましょう。ただし、体調が悪いときは無理せずに休み、症状が改善されてから入浴するようにしてください。

ラジウム温泉に入る際の注意点

ラジウム温泉に入る際の注意点

健康促進効果が期待できるラジウム温泉ですが、入浴の仕方次第では体調不良の原因となることもあります。ラジウム温泉に入る際の注意点を紹介しますので、入浴前に確認しておきましょう。

ラドンの濃度が薄めのものから浸かる

ラジウム温泉は放射能泉であることから、ほかの泉質と比較すると刺激が強い傾向にあります。初めてラジウム温泉に入る方は、まずはラドンの濃度が薄めのものからはじめるのがおすすめです。

食事の直前や直後の入浴は控えてください。また、入浴中は脱水症状になりやすいので、入浴の前後には必ず水を飲んで水分を補いましょう。

はじめのうちは長湯をしないようにすることも大切です。気分が悪いと感じたら、無理せずに早めに出るようにしてください。

ラジウム温泉に入ってはいけないとき

いくら健康にいいといっても、ラジウム温泉に入るのが体の不調につながるケースもあります。以下に当てはまる場合は、症状悪化や健康リスクを高めるため、ラジウム温泉に入るのを控えましょう。(一般の温泉にも当てはまります。)

●熱がある
●体が疲れている
●普段と比べて体調が悪い
●血液透析の当日
●重い腎臓病
●出血があるとき
●重い心臓病
●高度の貧血

また、慢性的な病気などで通院している方は、ラジウム温泉の入浴についてあらかじめ医師に相談しておくようにおすすめします。

ラジウム温泉が危険といわれることがある理由

ラジウム温泉が危険といわれることがある理由

ラジウム温泉についてインターネットで調べると、「危険」という言葉が上がってくることがあります。しかし、先述のようにラジウム温泉には特に副作用もなく、ラジウム温泉から蒸気となって空気中に漂うラドンを吸うことによる健康被害も報告はされていません。

では、なぜラジウム温泉が危険といわれることがあるのでしょうか?その理由は、ラジウム温泉が「放射能泉」と呼ばれていることにあると考えられています。

世間一般では放射能については「危険」というイメージが定着しています。そのため、放射能泉と聞くと、それだけで危険なイメージをもつ人や副作用を心配される方が多いのです。

しかし、ラドン自体は地面やコンクリートなどの建物からも出ている物質であるため、私たちが常日頃から吸っているものです。ラジウム温泉から出る微量のラドンを吸うこと自体が害となることは考えられないので、心配は要りません。

ラジウム温泉は飲用にも使える?

ラジウム温泉は飲用にも使える?

日本でも飲用としての温泉水が販売されてはいるものの、どちらかというと温泉は「飲む」というより「浸かるもの」のイメージが強いですよね。しかし、海外では温泉水を飲用として活用しているケースも多くみられ、飲むことで健康効果が得られるとされています。では、ラジウム温泉は飲むことができるのでしょうか。

飲むことで期待できる効果

ラジウム温泉についても、飲用として許可されているものであれば飲むことができます。ラジウム温泉を飲むことで期待できる効果は、入浴することで得られるといわれている効果と同様です。

また、温泉に浸かるだけよりも温泉水を飲むほうが、より効果を得やすいという声もあります。飲用のラジウム温泉水については、ペットボトルなどでも販売されています。

ラジウム温泉を健康に取り入れてみたいけれど「近くにラジウム温泉がない」という場合でも、ペットボトルであれば入手することが可能です。もちろん、血行促進やリラックス効果のような温泉に浸かることで得られる効果は飲むだけでは得られないものの、ラジウム温泉を手軽に試す方法としてはおすすめです。

飲用として使う際の注意点

ラジウム温泉は飲むことが可能とは言え、すべてのラジウム温泉が飲めるわけではありません。「飲用に使用できる」と明記されている場合以外は、飲まないように注意しましょう。

ラジウム温泉が飲用として認められるには保健所の許可が必要ですし、温泉地によっては循環のものもあるため、飲用にできないケースも多くあります。また、健康問題を抱えていて、病気の治療や改善目的でラジウム温泉を飲用として利用したい場合は、自己判断で飲むのは控えましょう。まずは医師に相談することをおすすめします。

まとめ

ラジウム温泉にはさまざまな効能があり、健康促進や特定の病気の症状緩和に利用することができます。もちろん、ラジウム温泉に浸かったからといって、癌や腎臓病などの病気の治癒効果は期待できませんが、医師に相談しつつ治療のサポートとして利用することはできるでしょう。

放射能泉と呼ばれることから危険なイメージをもつ方や、副作用があるのかを気にされる方も少なくないと思います。ですが、ラジウム温泉に含まれるラドンは微量で特に副作用もなく、健康を害することはありません。一般的な温泉と同じように子供から大人まで安心して利用できます。

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