三朝温泉は、鳥取県の中央部に位置する歴史ある名湯で、さまざまな効能が期待できるラジウム温泉として注目されています。この記事では、三朝温泉の基本情報や歴史、効能、日帰り入浴施設、入浴する際の注意点について詳しく解説します。
三朝温泉への訪問を検討している方、温泉の効能に興味がある方、日帰り入浴を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
三朝温泉とは
三朝温泉は、鳥取県の中央部に位置する三朝町にある温泉地です。中国地方を代表する歴史ある名湯の一つとして知られ、町全体が温泉街となっています。三朝温泉の泉質は含放射能/ナトリウム・塩化物泉、含放射能/単純泉で、放射能が強いのが特徴です。泉温は45℃前後と比較的高温で、無色透明のお湯が豊富に湧き出ています。
三朝温泉の歴史は古く、平安時代の末期には既に湯治場として利用されていたと伝えられています。現在でも、三朝温泉には数多くの旅館や宿泊施設が立ち並び、国内外から多くの観光客が訪れる人気の温泉地となっています。
三朝温泉の特徴
三朝温泉の最大の特徴は、ラジウム温泉としての効能です。ラジウム温泉は、ラジウムが水に溶け込んだ温泉で、放射能による刺激で身体の新陳代謝を促し、自然治癒力を高める効果があると言われています。三朝温泉のラジウム含有量は日本屈指のレベルを誇り、一般的なラジウム温泉よりも含有量が多いため、その効果に期待して訪れる方もたくさんいるようです。
三朝温泉には数多くの温泉施設や宿泊施設が点在しており、現代湯治の場としての役割も果たしています。 旅館や宿泊施設の多くは、温泉を引いた内風呂や露天風呂を備えており、宿泊者はいつでも温泉を楽しむことができます。また、日帰り入浴ができる施設も充実しており、気軽に三朝温泉を体験することができます。 温泉街には、足湯や飲泉場もあり、散策しながら温泉を楽しむことも可能です。
三朝温泉へのアクセス
三朝温泉へは、公共交通機関と車の両方でアクセスすることができます。最寄りの駅は、JR倉吉駅で、倉吉駅から三朝温泉までは路線バスが運行しています。所要時間は約20分で、温泉街の中心部まで行くことができます。
車でのアクセスも便利で、三朝温泉街には複数の駐車場が用意されており、宿泊施設によっては無料の駐車場を提供しているところもあります。ただし、温泉街の中心部は狭い道が多いため、大型車両での進入は避けた方が良いでしょう。
三朝温泉の歴史
三朝温泉の歴史は平安時代末期にまで遡ります。温泉の発見については諸説ありますが、平治の乱で敗れた源氏の家来が三徳山へ源氏復興祈願に訪れた際、 白い狼の導きによって温泉を発見した「白狼伝説」が有名です
それとは別に、733年に作られた出雲国の地誌「出雲国風土記」にも三朝温泉の記述があるとされ、すでにそのころから知られていた可能性もあります。
三朝温泉の泉質は高濃度のラジウムを含む放射能泉で、古くから湯治場として親しまれてきました。「温泉に入れば、三日目の朝には病が消える」という言い伝えから「三朝」の地名がついたとも言われています。
また、三朝温泉は多くの文人墨客にも愛された温泉で、与謝野晶子や島崎藤村など著名な文学者が滞在したと言われています。三徳川にかかるかじか橋には与謝野晶子の歌碑が残されています。宿泊した老舗の岩崎旅館をはじめ、当時の面影を残す風情ある温泉街の佇まいは、今なお歴史を感じさせます。
さらに、三朝温泉のすぐそばには、断崖絶壁に建つ三徳山三仏寺の国宝「投入堂」があります。2015年には三朝温泉とともに日本遺産に認定され、その歴史的・文化的価値が評価されました。
三朝温泉の効能
三朝温泉は、高濃度のラドンを含む世界屈指のラジウム温泉です。ラジウム温泉は、ラジウムが水に溶け込んだ温泉で、放射能による刺激で身体の新陳代謝を高め、自然治癒力を高める効果があると言われています。三朝温泉の泉質は含放射能/ナトリウム・塩化物泉、含放射能/単純泉で、高い放射能を持つことが特徴です。
ラジウム温泉のホルミシス効果
三朝温泉のラジウム温泉は、ホルミシス効果によって健康増進や美容効果が期待できると言われています。ホルミシス効果とは、大量に用いると人体に害を及ぼす可能性があるものの、低濃度であれば健康に好影響を与える現象のことで、三朝温泉の適度な量の放射能も、身体に良い影響を与えると考えられています。
また、先述のとおり、三朝温泉のラジウム濃度は一般的なラジウム温泉よりも高いと言われており、身体の新陳代謝が高まって免疫力が向上するだけでなく、美肌効果や疲労回復効果が得られると言われています。また、ラジウム温泉は、関節痛や神経痛、リウマチなどの痛みを和らげる効果もあると考えられています。
豊富なミネラルによる健康増進
三朝温泉には、ラジウム以外にも豊富なミネラルが含まれており、健康増進効果が期待できます。ミネラルも身体の新陳代謝を促進し、健康維持に役立つと考えられています。 入浴はもちろん、飲泉も効果的で、ミネラル豊富な三朝温泉の泉質は胃粘膜の血液量が増加すると言われており、三朝温泉は「薬湯」としても高い人気を誇っています。
温泉の温熱効果による血行促進
三朝温泉は、泉温が45℃前後と比較的高温であることから、温泉の温熱効果による血行促進が期待できます。温泉に入浴することで身体が温められ、血管が拡張します。これにより、血流が良くなり、身体の隅々まで血液が行き渡るようになり、血行が良くなることで新陳代謝が高まり、老廃物の排出が促されます。
また、温泉の温熱効果は、筋肉の緊張をほぐす働きもあります。温泉に入浴することで、凝り固まった筋肉がほぐれ、血行が良くなることで疲労回復効果が得られます。さらに、温泉の温熱効果は、自律神経のバランスを整える働きもあります。自律神経が整うことで、ストレスの緩和や心身のリラックス効果が期待できます。三朝温泉の高い泉温は、温泉の温熱効果を十分に得ることができ、血行促進による健康増進効果が期待できます。
日帰りでも楽しめる三朝温泉のおすすめの施設
三朝温泉は、日帰り入浴ができる施設が充実しており、気軽に温泉を楽しむことができます。ゆったりと友人や家族とのコミュニケーションを深めることができ、日々の疲れを癒せます。 ここでは、日帰りで楽しめるおすすめの施設を紹介します。現地を訪れるときの参考にしてみてください。
三朝館
出典画像 三朝館
三朝館は、敷地内に3本の源泉を持ち、三朝随一の湯量を誇る天然温泉宿で、宿泊も日帰り利用も可能です。大浴場や露天風呂、貸し切り露天風呂もあり、ゆったりと温泉を楽しむことができます。
三朝館の日帰り入浴は、午前11時から午後9時まで利用可能で、料金は大人1,000円、子供500円です。入浴した後に休憩できるスペースも用意されているほか、食事付きのプランもあります。
住所：〒682-0122 鳥取県東伯郡三朝町山田174
電話番号：0858-43-0311
URL: https://www.misasakan.co.jp/
株湯
出典画像 三朝温泉公式サイト
三朝温泉の起源でもある「株湯」は、三朝温泉の元祖の湯として知られ、別名「元湯」とも呼ばれている三朝温泉発祥の温泉です。浴室は男女別の内湯だけですが、木造の建物が特徴的で、昔ながらの温泉情緒を味わうことができます。
利用時間は午前8時から午後9時45分までで、公衆浴場の料金は大人400円、子供250円です。なお、公衆浴場に隣接する「足湯」「飲泉場」は無料で利用可能です。
住所：〒682-0123 鳥取県東伯郡三朝町三朝634-1
電話番号：0858-43-3022
河原風呂
出典画像 三朝温泉公式サイト
河原風呂は、三徳川、三朝橋のほとりにある野趣あふれる混浴の露天風呂で、三朝温泉のシンボル的な存在です。浴槽は熱湯とぬる湯に分かれており、川のせせらぎを聞きながら好みの湯でくつろぐことができます。
河原風呂は無料で利用することができ、24時間利用可能です。温泉に入浴しながら自然を満喫することができるため、開放的な気分を味わえる人気の日帰り温泉です。バスタオルや水着などを着用しての入浴はできないので注意しましょう。
住所：〒682-0123 鳥取県東伯郡三朝町三朝903-1
電話番号：0858-43-0431（観光協会）
足湯・飲泉場 薬師の湯
出典画像 三朝温泉公式サイト
薬師の湯は、温泉の薬効がお祈りしてある温泉街の神様である「お薬師さん」が祀られている広場にあり、健康祈願も兼ねて訪れる方が多い温泉です。 料金は無料で、利用時間は午前9時から午後9時30分までとなっています。
三朝温泉街の散策に疲れたら、この足湯を利用するのがおすすめです。飲泉場も併設されており、温泉水を飲むこともできます。
住所：〒682-0123 鳥取県東伯郡三朝町三朝933
電話番号：0858-43-0431（観光協会）
三朝温泉に入浴する際の注意点
三朝温泉に入浴する際は、いくつかの注意点があります。特に、ラジウム温泉である三朝温泉は、一般的な温泉とは異なる特性があるため注意が必要です。ここでは、三朝温泉に入浴する際の注意点を紹介します。
温泉の禁忌症に注意
三朝温泉はラジウム温泉のため、禁忌症の内容は一般的な温泉とは異なります。ラジウム温泉の禁忌症としては、急性疾患（特に熱のある場合）、活動性結核、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度貧血といった症状が挙げられますが、妊娠中の方も入浴を控えましょう。
また、三朝温泉に限らず、温泉全般で禁忌症があります。一般的な禁忌症としては、病気の活動期（特に熱のあるとき）、活動性結核、進行した悪性腫瘍、高度の貧血など身体衰弱が著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓や肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期などがあります。
そのほかにも飲酒後や空腹といった場合も入浴を控えましょう。入浴前には、必ず自分の健康状態を確認し、禁忌症に該当しないか確認することが大切です。
正しい入浴方法を守る
三朝温泉に入浴する際は、正しい入浴方法を守ることが大切です。まず、入浴前には体を洗い流しましょう。体を洗うことで汗や汚れを落とし、温泉水を汚さないようにすることができます。また、体を洗うことで、温泉の効果を高めることができます。 入浴する際は、ゆっくりと入浴するようにしましょう。
また、温泉に長時間浸かりすぎると、体に負担がかかることがあります。入浴時間の目安は、額や顔がほんのり汗ばむ程度が目安。汗が流れたり、動悸がしたりするほどの長湯はやめましょう。入浴後は水分補給をすることが大切です。 温泉は多くの人が利用する公共の場所です。
そして、日本の温泉文化は、長い歴史と伝統を持っています。入浴方法を守ることは他の利用者に対する配慮でもあり、利用者同士が気持ちよく利用することができ、文化的な意義もあります。
飲酒後や空腹時の入浴は避ける
温泉に入浴する際は、飲酒後や空腹時の入浴は避けるようにしましょう。飲酒後の入浴は、血圧の急激な変動を引き起こすことがあり、事故のリスクが高くなります。また、空腹時の入浴は低血糖になるリスクがあります。 アルコールには利尿作用があり、お風呂での発汗と合わせて脱水症状を引き起こす可能性もあります。
特に高温のお湯で長時間入浴する場合は危険です。 温泉に入浴する際は、飲酒は控えて、空腹時は避けるようにしましょう。入浴前には、軽食を取るなどして体調を整えておくことが大切です。
体調が不安定なまま入浴してしまうと、体力が消耗してしまったり、バランスを崩して転倒してしまったりする恐れもあります。 入浴によって体内の水分が失われます。温泉から出た後には、しっかり水分補給するようにしましょう。
まとめ
三朝温泉は、ラジウム温泉としての効能や、豊富なミネラルによる健康増進効果、温泉の温熱による血行促進効果など、様々な効果が期待できる温泉地です。三朝温泉には足湯や飲泉場があり、日帰り入浴ができる施設も充実しているため、気軽に温泉を楽しむことができます。 三朝温泉に入浴する際は、ラジウム温泉特有の禁忌症に注意し、正しい入浴方法を守ることが大切です。
また、飲酒後や空腹時の入浴は避け、体調を整えてから入浴するようにしましょう。 三朝温泉は、古くから湯治場として親しまれてきた歴史ある温泉地です。現在でも、多くの人々がその効能を求めて三朝温泉を訪れています。
三朝温泉での温泉療養は、心身ともにリフレッシュするための素晴らしい方法です。 ぜひ、三朝温泉を訪れて、その魅力を体感してみてはいかがでしょうか。
